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【争点の現場 衆院選2017】(1)原発 再稼働に影響あるか

9月に行われた玄海原発の重大事故を想定した防災訓練。再稼働へ向け、着々と手続きは進んでいる=唐津市の県オフサイトセンター
9月に行われた玄海原発の重大事故を想定した防災訓練。再稼働へ向け、着々と手続きは進んでいる=唐津市の県オフサイトセンター
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 「いつも家で作りよるもんでよかろうか」「新メニューも考えようか」。漁船やいけすが並ぶ外津(ほかわづ)湾に面した玄海町の民家。9月下旬、60~70代の主婦4人が集まり、新たに開業する食堂の店作りについて熱心に話し合っていた。

 「食を通じて地域づくりに弾みをつけたい」。そう語るのは、民家の主で食堂運営に携わる元町議の渡辺一夫さん(70)。九州電力玄海原発の再稼働を見据え、渡辺さんたちは原発に隣接する九電玄海エネルギーパークの空き施設を無償で借り、11月にもバイキング形式の食堂をオープンさせる。

 玄海原発は東京電力福島第1原発事故後の2011年12月に全4基が停止し、15年には1号機の廃炉が決まった。渡辺さんは「原発で働く多くの町民が元気を失い、九電関連のスポーツ大会もなくなって地域全体の活気が失われてきた」。

 玄海町の岸本英雄町長や山口祥義知事は再稼働への同意を表明。順調に進めば来年1月に再び原発が動き始める。渡辺さんは「ようやく町が正常化する」と喜ぶ。

 食堂ではカワハギのみそ汁、サワラの照り焼きなど旬の地元海産物を使った料理を提供し、地域の産品をPRする計画だ。

 「原発事故後、国の安全基準は厳しくなり、玄海は心配ない。衆院選の結果に左右されることなく、再稼働を進めてほしい」。渡辺さんは力を込めた。

    ■   ■

 9月30日昼、伊万里市の寺院に、市民団体「玄海原発再稼働を考える会」の会員7人が集合した。

 会員の1人、同市の吉永節子さん(70)は、JR伊万里駅前で11日朝に行う再稼働反対の街頭宣伝への参加を呼び掛けるため、関係者にプリントを郵送する準備を進めていた。

 「あれだけの原発事故が起きたのに、国はなぜ再稼働に突き進むのか」。福島事故後、吉永さんが抱く一貫した思いが、活動の原動力になっている。

 伊万里市は原発30キロ圏内にあるが、再稼働の地元同意は必要とされておらず、立地自治体以外は反対意見を表明してもほとんど無視され、玄海原発の再稼働も粛々と準備が進んでいるのが現状だ。

 吉永さんは「事故が起きれば伊万里の住民の生命も危険にさらされるのに、再稼働の決定に私たちが関われないのはおかしい」と国の制度を批判する。

 今回の衆院選。発足したばかりの新党「希望の党」が、2030年の原発ゼロを政策に掲げる。吉永さんは「国政選挙でようやく原発が争点になるかもしれない。再稼働が決まる前に意思表示ができるいいチャンスだ」と期待する。

 一方で「票目当ての見せ掛けなのでは、という思いもある。選挙で再稼働の是非が問われるよう、私たちも街頭活動でしっかり訴えたい」。

    ◇   ◇

 「政権選択選挙」の衆院選の公示が10日に迫った。与野党の政策論争は今後、激しくなりそうだ。県内で争点の現場を歩いた。

=2017/10/03付 西日本新聞朝刊=

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