【選挙区の構図 2017衆院選】(上)1区 野党共闘が復活の気配

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 「希望の党の公認を辞退し、無所属で戦います」

 7日朝、鳥栖市内であった集会で、希望から立候補を予定していた前職の原口一博(58)がこう明かすと約50人の出席者からは拍手がわいた。

 民進党を離党し、3日に希望の1次公認候補になったばかり。3日後に公示が迫る選挙戦直前に突然、無所属での出馬を表明した。

 周辺によると、原口は悩んでいた。「護憲」を唱えてきたのに、希望は「改憲」。そんな原口が「心が折れた」(周辺)のが、6日夜に佐賀市内であった立候補予定者4人による公開討論会。改憲について問われ、「平和主義を守る方向なら、賛成」と苦しい答弁に追い込まれた。帰りの車の中で原口は無所属での出馬を決断。7日朝、「もうこれ以上、妥協して当選しても何の恩返しにもなりません」と自身のフェイスブック(FB)に書き込んだ。

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 衆院解散後初の週末となった9月30日。自民前職の岩田和親(44)は佐賀市内のこども園や保育園の運動会を“ハシゴ”し、安倍晋三政権が掲げる幼児教育の無償化を保護者に訴えた。

 「離合集散する野党に、安定した政権と政策で対抗する」(陣営)と、比例復活した前回の雪辱を期す。

 陣営幹部は「旧2区」が勝敗を左右すると見る。前回衆院選で県内選挙区は1減となり、旧2区の今村雅弘(70)は転出した比例代表九州ブロックで名簿順位31位に冷遇された。

 知事選を巡って党本部の推薦候補の対抗馬擁立に動いたことが要因だが、「今村支持者が怒り、旧2区で票が伸び悩んだ」(県連幹部)。今回は上位扱いを党本部に再三要請している。

 知事選の余波は農協票にも及ぶ。政治団体「県農政協議会」は昨夏の参院選は自主投票に。今回はまだ結論が出ていない。

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 原口の無所属での立候補表明は安倍政権打倒に向けた共闘にも影響を与えそうだ。野党共闘を模索していた共産党は、民進が、憲法改正や安全保障法制を容認する希望に事実上合流したことに反発。「民進と積み上げてきたものが崩れた」(今田真人委員長)として、新人の上村泰稔(52)の擁立を発表した。

 ところが、7日夜の原口の会見を受けて「候補者取り下げを検討する」(陣営幹部)に転換した。

 このほか、政治団体「幸福実現党」新人の中島徹(43)も立候補を表明。「清潔で勇断できる政治を実現する」と訴えている。 (敬称略)


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 安倍首相の衆院解散後、「希望の党」が登場し、民進党が分裂するなど情勢が激しく変わった。10日公示、22日投開票の衆院選の佐賀1区、2区の直前の動きを報告する。

=2017/10/08付 西日本新聞朝刊=

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