収縮ない陶土開発 窯業技術センター、特許出願 最高精度の陶磁生産可能に [佐賀県]

新開発の陶土で焼成した陶磁器製品を持つ蒲地研究員
新開発の陶土で焼成した陶磁器製品を持つ蒲地研究員
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 県窯業技術センター(有田町)は28日、陶磁器の製造過程で、焼成しても収縮せず形も変わらない陶土の開発に成功したと発表した。従来は難しかった厚さ1ミリ以下の極薄製品や、1メートルを超す大型品の製作も可能になるという。

 センターによると、通常の陶土は焼成で10%ほどの収縮や変形が出る。新開発の陶土は土に数種類の特殊な鉱物を混ぜ込み多孔質にしたことで収縮・変形をなくした。焼き上げた陶磁器は従来品に比べ約3割軽く、保温性は上がるため、コーヒー用フィルターや障害者用の軽量食器、病院や航空機内用の保温性に優れた食器などの製造開発につながるという。

 窯元にとっては、これまでと同じ工程での生産が可能でコストも低い。強度は約3割落ちるが、形状の工夫で補えるとしている。

 有田焼創業400年事業の一環で、事業費は約400万円。商社からの要望を受けて2014年に開発に着手、約200回の試作を経て今月に完成した。県が特許を出願している。

 開発した蒲地伸明研究員(46)は「金属やプラスチックでしかできなかった製品が陶磁器で作れるようになる。世界最高精度の陶磁器が製造できる陶土で、県内窯業の活性化、売り上げ増加が期待できる」と話した。

=2017/03/29付 西日本新聞朝刊=

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