熊本市西区の避難所状況(熊本地震)

熊本県熊本市西区の避難所で、西日本新聞の記者が取材した状況は下記のとおり。

■花園小学校

【早く授業再開してほしいけど…】(4月25日)

 避難している井芹中(熊本市西区)3年女子生徒(14)は、掃除や食事の運搬などのボランティアをしている。学校について「5月22日が体育大会の予定だった。延期になるか中止になるかはわからない。普通なら学校が休みなのはうれしいけど、地震で長い期間休校になって友達に会えず、携帯でのやり取りしかできていない友達もたくさんいてすごく寂しい」と話す。「受験勉強が遅れることが心配。早く授業再開してほしい。ただ、余震は収まってきてはいるけど、いつまた大きいのがくるかわからない。授業中に避難しなきゃいけなくなるのかなあと思うと安心して学校に行けない。中学校生活最後の1年で行事も少ないので、5月の体育大会も10月の合唱コンクールも、一つ一つの行事を大切にしたいと思っていたのに」 

 

【雨の影響に不安の声】(4月21日)

 花園小体育館には、花園地区とイケダ地区の住民計約200人が避難している。2歳の長男らと5人暮らしの主婦(26)は16日から避難中。「自宅の外壁にも内壁にも亀裂が入っている。雨がしみこんで、家のダメージが大きくなることが一番心配。今はかろうじて(家は)立っているけれど、余震のたびにヒビ・亀裂が深くなっているのが見て分かる。家が3等分になりそう。家電を運び出したいが、家が傾いているため持ち出せない。雨でだめになったら困る。雨で地盤が緩み、自宅が土砂崩れに巻き込まれるんじゃないか」と話す。

 もうすぐ避難して1週間になるが、子どもの精神的ストレスが心配。「すぐかんしゃくを起こすようになった。少し大きめの余震がある度に怖がり、しがみついて離れない。雨だから外で遊ばせるわけにもいかない。晴れてたら運動場で遊ばせるけれど、体育館内で走り回ることは迷惑になりできない」

 

■春日小学校

【犬と車で寝ている】(4月19日)

 昼は家の片付け、夜は避難しているという男性(66)は18日夜、「車中泊はこれで計4泊目。エコノミークラス症候群ね…。俺はなんもなか。腰も痛くないし。昼は体を動かしてるから。毎朝夕犬の散歩もするけんね。たぶん自分はなんとかなるんじゃないかな」と話した。

 車の中では自分と犬2匹。妻は避難所で寝ている。15年飼っている犬を置いていけないし、大型だから避難所にも連れてはいけない。「震災があったらボランティアとして行ってたけど、自分が被災するともう行ききらん。ほんじゃおやすみ」

 19日午前6時半ごろ、犬の散歩中には「やっぱりきつい。寝返りが打てないし。今日も日中は片付けして、昼寝せんば。乗用車の助手席を倒して、一応寝る姿勢にはなってるけど、あくまで椅子。水平じゃないから、布団とは疲れの取れ方が違う」と疲れた様子だった。

 

■障がい者支援施設「しょうぶの里」

【水と食料が全く不足】(4月17日)

 主任支援員によると、施設には知的障がい、身体や精神の障害をもつ30人と系列のグループホームの16人、一般からの受け入れも合わせて49人がいる。水と食料が全然足りない。

 水は昨日、職員が親や親戚などを当たってなんとか60リットルは確保できた。だが、入所者は通常の水分補給に加えて、朝昼晩と寝る前に薬(精神安定剤など)を飲まなければいけない。だから少しずつ飲むように言い聞かせている。
断水でコップは洗えないので、紙コップに名前を書いて1日、2日は使うようにしている。

 ご飯も満足になく、きょうの朝はパン2個と牛乳、昼はおにぎりと卵スープとバナナ。これは昨日、体が不自由な母娘がここに運ばれた際に、救急隊員に「食料がないのでなんとかしてほしい」と頼み込んで手に入れたもの。近くのコンビニやスーパーは全然食料がない。市役所に「なんとかしてほしい」と訴えたが、「施設だからと特別扱いはできない」といわれた。なので配給に職員が並んで少しずつ確保している。

 非常事態でどこも同じような状況だろうから我慢しないといけない。職員の間で東日本大震災以降、非常時に備えた備蓄を検討してきたが完備には至らなかったことを非常に反省している。

 きょう、明日でこの状態が終われば何も心配はいらないが、先が見えないので不安だ。
入所者の中には他の人の分も食べてしまうケースがあるので、その際には職員の分をあげたり。入所者を優先するので私たちはほとんど食べられていない。

=西日本新聞=

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