公明党 1強に埋没せず存在感を

 公明党が自民党と連立政権を組んで来月で17年になる。下野した3年間を除けば政権与党としては14年だ。この間、自公連立が政治の安定に一定の役割を果たしたのは事実である。

 しかし「自民1強」の中で公明党の存在感が希薄になっていないか。自民党の「行き過ぎ」を政権内でチェックしてブレーキをかける役割が改めて求められよう。

 自公連立は従来、衆参両院あるいは参院で過半数割れし不安定化した自民政権を支える形だった。今月17日の党大会で無投票5選された山口那津男代表は「政治の安定こそ国民が自公連立政権を支持する最大の要因だ」と語った。

 とはいえ、今夏の参院選で自公連立を取り巻く環境は大きく変質した。非改選議員の入党も含めて自民は27年ぶりに参院で単独過半数を回復し、6割超の議席を占める衆院と合わせて1強状況は一段と強まったからだ。

 参院は単独過半数ぎりぎりであり、今すぐ自民単独政権というわけにはいかない。公明党が主張するように、選挙結果は「自公協力の成果」でもあろう。党大会に招かれた安倍晋三首相は「連立は新しい時代に入り、質は深まった」と述べた。選挙も政策も「自公一体」ということなのだろうか。

 確かに消費税再増税に伴う軽減税率の導入や経済対策の地域振興券など公明党の主張が通ったこともある。他方で、特定秘密保護法や安全保障関連法など世論の反発が強いのに首相と自民党に押し切られる場面が目立つ。

 党大会では、地方の代議員から「アベノミクスの成果が地方や中小・零細企業に及ばない」「貧困・格差対策が遅れている」など連立の政策に対する疑問が出た。憲法改正について「現行憲法に真っ向から反対する政党と公明党が改憲勢力として同一視されてはならない」とくぎを刺す党員もいた。

 「平和の党」「福祉の党」、そして「大衆とともに」。結党以来の看板をどう守り抜いていくのか。1強自民と連立する公明党の真価が問われようとしている。


=2016/09/23付 西日本新聞朝刊=

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