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障害者就労支援 指導監督の抜本見直しを

 障害者総合支援法に基づく給付金を不正受給したとして、福岡市が4就労移行支援事業所の代表と主導役とされる男2人の計6人を詐欺容疑で福岡県警に告訴した。受給総額は1億円に及ぶという。

 障害者福祉に対する信頼が大きく損なわれた。これほど組織的な不正受給は前例がない。まずは捜査による全容解明を求めたい。

 就労移行支援事業は、企業などへの就職を後押しする支援法に基づく福祉サービスの一つである。事業所には利用者1人当たり1日約8千円が行政から支給される。

 市の調査によると、4事業所は2015年5月以降、相次いで事業を始めた。主導役の男2人が代表らに開設を持ち掛けたという。

 直後から運営実態がないのに障害者にサービスを提供したように装い、架空請求を行ってきた。

 市の実地指導がある日には、障害者を集め偽装工作も行っていたという。悪質というほかない。

 最初から「ペーパー事務所」で給付金をだまし取る狙いがあったのではないか。金の使途も含め、市の調査では解明できなかったことが多いと言わざるを得ない。

 1億円もの不正受給を見過ごしてきた市の責任は重大だ。再発防止策として抜き打ち指導を導入した。監督や事業認可の審査の在り方も抜本的に検証すべきである。

 支援法に基づく就労系福祉サービスは就労移行支援のほか、障害者に仕事の場を提供する就労継続支援A型事業とB型事業がある。

 どちらも職員数や利用日数の水増しなどで給付金を不正に受給し、処分を受ける事業所が後を絶たない。仕事を十分に提供しない不適切な事業所もあるという。

 民間事業者の参入が進み、事業所は増加傾向にある。サービスの受け皿の拡充は歓迎すべきことだが、福祉を食い物にするような業者の横行は断じて許されない。

 就労支援の福祉サービスは障害者の自立と社会参画に必要だ。着実に社会に根付かせたい。

 福岡市だけの問題ではない。これを機に不正防止や監督指導を強化すべきである。


=2017/02/04付 西日本新聞朝刊=

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