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「刑法犯」の減少 安心が実感できる社会に

 数字だけを見れば、確かに安心材料には違いない。

 昨年1年間に全国の警察が認知した刑法犯は99万6204件と戦後初めて100万件を切った。ピークだった2002年の約285万4千件からは実に3分の1近くまで減った。

 ただ、統計は国民の実感とは懸け離れている面もある。数字の減少に油断することなく、防犯意識を高めて、さらなる犯罪の抑止につなげたい。

 警察庁によると、刑法犯の認知件数は1980年から増加傾向が続いていたが、03年からは14年連続で減少している。

 昨年は、刑法犯の7割を占める窃盗犯が前年比で10・4%も減少したことが全体の数字を押し下げた。殺人、放火、強姦(ごうかん)などの凶悪犯も減少している。

 警察や自治体、民間が一体となった地域巡回など犯罪抑止の取り組みが効果を上げたといえるだろう。国民の防犯意識も高まっており、家庭用品の量販店には、防犯用のスプレーやブザー、カメラなどが数多く並んでいる。

 それでも一般市民が肌で感じる「体感治安」は刑法犯の減少傾向とは必ずしも一致しない。内閣府が実施した全国調査によると、治安について過去10年で「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」と答えた人は合わせて8割以上に及んだ。これは刑法犯の認知件数が10年連続で減少した12年の調査である。

 この十数年間には、ストーカー殺人事件をはじめ、インターネットの出会い系サイトを悪用した児童買春、元交際相手の裸の写真をネットに投稿するリベンジ(復讐(ふくしゅう))ポルノなどが深刻な社会問題となった。本格的なネット時代を迎え、犯罪が多様化・悪質化したともいえるだろう。いずれも個別の対策法が制定された。

 刑法犯全体で3割台にとどまる摘発率の向上も重要な課題だ。警察は時代の変化とともに巧妙化する犯罪も見据えて捜査能力を一段と向上させ、安心で安全な社会の実現に努めてもらいたい。


=2017/02/10付 西日本新聞朝刊=

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