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川内原発と知事 何のための専門委なのか

 鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事が、稼働中の九州電力川内原子力発電所1号機(同県薩摩川内市)の安全性について、県議会で「現状では(九電に)強い対応を取る必要はないと判断している」と述べた。

 「問題があれば強い態度を取ることに変わりはない」とも語っているが、就任後、初めて川内原発の安全性を事実上認めた格好だ。

 昨年の知事選で「脱原発」を訴えて当選した三反園氏は、原発の安全性などを検証する専門家委員会の設置を公約に掲げた。

 知事の発言は「熊本地震の影響はなく、特段の問題がない」とした専門委の報告書に基づくものだ。報告書提出までに2回行われた専門委の会合で、原発の安全性についての議論は棚上げされた。

 九電が行った1号機の特別点検と定期検査の結果についての説明でも委員から特段の追及はなく、すんなり「了承」されている。

 専門委の座長は「わずか12人の委員会で(原発の安全性について)結論を出すのは非常に難しく、逆に無責任だ」として、専門委のテーマを避難計画の見直しなどに限定すべきだと主張する。

 だが、避難計画の見直しにとどまらず、原発の安全性についても国の原子力規制委員会とは別の観点から住民目線に立った議論をすることは可能であり、むしろ必要ではないのか。

 これでは何のために専門委を設けたのか分からない。

 無論、いたずらに不安をあおる必要はない。問題は、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、熊本地震を経験して原発に不安や懸念を抱く住民たちを納得させることができるかどうかだ。知事が設置した専門委は、その一助となってこそ意味があるはずだ。

 新潟県の専門家組織は独自に福島原発事故を検証し、東電が否定していた「炉心溶融」の判断基準が社内マニュアルとして存在していたことを認めさせた。

 三反園知事は専門委の位置付けを明確にして、必要があれば体制を充実させるべきだ。知事の指導力が問われている。


=2017/02/28付 西日本新聞朝刊=

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