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政界再編 理念と政策を競ってこそ

 ■2017衆院選■

 理念や政策に基づく政界再編は歓迎したい。10日公示の衆院選は有権者にとって分かりやすい対決構図になってきたのではないか。

 枝野幸男元官房長官ら民進党の前衆院議員による新党「立憲民主党」が、東京都選挙管理委員会に設立を届け出た。

 小池百合子東京都知事の国政新党「希望の党」に参加しない勢力によるリベラル系の新党である。憲法改正や安全保障政策で保守色が目立つ希望の党と民進党の合流で選択肢を失いかねない有権者の「受け皿」を目指すという。

 これで衆院選は、安倍晋三首相を支える自民、公明の与党、選挙区すみ分けで合意した希望の党と日本維新の会、野党連携の再構築を図る立憲民主党と共産、社民両党という3極の対決となる。

 「選挙区で与党と1対1の構図をつくる」として希望の党への合流を進めた前原誠司民進党代表の狙いは小池氏の「排除の論理」で吹き飛んだ形だ。希望の党と立憲民主党が競合すれば、本来問われるべき安倍政治の功罪という争点が色あせる-との見方もあろう。

 ただ、従来の離合集散劇が政治家の生き残りを主目的とし、理念や政策が後回しになったのに比べれば様変わりした光景ではある。

 首相の唐突な衆院解散表明から10日もたっていない。新党は準備不足かもしれないが、3極の対決構図で何を有権者に問うのか。与党との違いを中心に具体的な政策を明らかにしてほしい。与党もまた、新党勢力を含む野党との政策論争を繰り広げてもらいたい。

 2009~12年まで政権を担った旧民主党の流れをくむ民進党は、希望の党参加の保守系、立憲民主党のリベラル系、どちらにも参加しない無所属と三つに分裂し、事実上解党してしまう。

 保守系からリベラル系まで多様な勢力を結集したものの、国民不在の内紛や対立を繰り返して失った有権者の信頼は結局取り戻せなかった。その教訓は新たな政界再編にどう生かされるのだろうか。


=2017/10/04付 西日本新聞朝刊=

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