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九州豪雨3カ月 自主防災の力を高めたい

 福岡、大分両県で37人の命を奪い、4人が行方不明となっている九州豪雨から3カ月が過ぎた。なお40人が避難所で暮らす。これからが復旧・復興への正念場だ。

 豪雨被害の教訓の中で今後に生かしたいのは、被災する以前から地域の住民が進めてきた「自主防災」への取り組みである。

 福岡県朝倉市では17地区で住民による自主防災マップを作っていた。市作成のハザードマップ(被害予測地図)を基に住民自ら地域内を歩き回って危険箇所を追加するなどした。5年前の九州北部豪雨や日常生活で気付いた「死角」を地図に落とし込んだ。

 土砂災害などの恐れがある危険箇所は当然ながら、地域ごとに、また地形によって全く異なる。

 公民館など公的避難所が崖の近くにあることから、話し合いの結果、高台にある民家数軒を避難所にした地域もあった。今回の豪雨では多くの住民がそこに避難して無事だったという。

 国や自治体が災害対策基本法など法令に基づき住民の生命を守るのは当然だ。ただ言うまでもなく自然災害はいつ、どこで、どんな規模で起きるか分からない。

 行政任せにせず、住民が自らの地域を点検・確認することで防災意識は格段に高まる。その過程こそ大切だと住民は口をそろえる。

 避難所でも、その意識は生きた。市職員を交えた被災者の会議を毎日開き、避難者の困り事を解決したり、生活のルールを決めたりした所もあった。

 「避難所の運営は早くから被災者が自主的に行うことが大切だ。支援に慣れると生活の自立再建が遅れてしまう」。昨年起きた熊本地震の避難所リーダーは本紙上でこう助言した。互いに助け合うことで、災害関連死などのリスクは軽減される可能性がある。未曽有の災害体験に基づくこうした教訓も引き継いでいきたい。

 被災地では台風などによる二次災害の懸念も消えない。自主防災態勢の点検と検証を重ね、行政と協力しながら「命は自ら守る」という姿勢を改めて確認したい。


=2017/10/05付 西日本新聞朝刊=

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