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社会保障制度 持続への決意と具体策を

 ■2017衆院選■

 2015年度の年金や医療、介護など社会保障給付費は114兆8千億円に達した。高齢化の進展で前年度に比べ2兆7千億円増えて過去最高だった。団塊の世代が75歳以上になる25年度には149兆円に迫るとの試算もある。

 このままでは、国民の保険料や税の負担は際限なく増大し、社会保障制度の持続も危うい-そうしたリスクは再三指摘され、多くの人も理解している。ところが税収や借金で不足分を補い続けた結果、国の予算に占める社会保障費の割合は3割を超えた。国と地方の借金も1千兆円を突破するなど深刻な財政危機に直面している。

 危機的状況にある制度を将来もいかに持続可能とするのか。衆院選で各党はその決意と具体策を示してほしい。

 社会保障給付の半分近くを占める年金の給付額は前年度比1・1%増の54兆9千億円、医療は同3・8%増の37兆7千億円、介護は2・3%増の9兆4千億円に及ぶ。まずは増大する給付費を肥大化させない努力が必要だ。

 医療費削減には、都道府県ごとの将来の医療需要に即した病床数の適正化をはじめ、後発医薬品の活用、重複受診や多重検査を避けるための家庭医と専門医の役割分担などが考えられる。

 介護費削減には、リハビリなどで介護の必要度を減らす自立支援策の充実のほか、介護ロボットの活用、保険外サービスを組み合わせた制度導入も検討課題だろう。

 18年度は診療・介護報酬の同時改定が控える。賃金や物価が伸び悩む中、コスト削減を進め、引き上げには慎重であるべきだ。

 社会保障制度の持続には税制全体を見渡した財源確保策のほか、余裕のある人の負担を重くし、余裕のない人の負担を軽減する措置も考えたい。富裕高齢者の社会保障を非正規雇用の若者が担う現実をどう捉えるか。世代間の公平性の確保や所得再分配による格差是正のためにも、税と社会保障をセットで検討していくべきである。


=2017/10/07付 西日本新聞朝刊=

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