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「加計」認可答申 疑惑解明は国会の役割だ

 疑惑を引きずったまま開学という運びでいいのだろうか。

 安倍晋三首相が「腹心の友」と呼ぶ加計(かけ)孝太郎氏が理事長を務める学校法人「加計学園」が、政府の国家戦略特区制度を使って愛媛県今治市で新設を計画する岡山理科大獣医学部が予定通り、来年4月に開学する方向になった。

 文部科学省の大学設置・学校法人審議会がきのう、林芳正文科相に開学を「可」と答申した。林氏は近く認可し、52年ぶりに獣医学部が新設される。しかし、これで一件落着ではない。「加計疑惑」は解明されていないからだ。

 疑惑解明は国会の役割だ。特別国会では徹底的な審議を求めたい。首相は今度こそ、謙虚に対応すべきだ。認可の最終決定は国会で審議を尽くしてからでも遅くないのではないか。

 従来の構造改革特区で15回連続落選した獣医学部新設が安倍政権の国家戦略特区の認定を受けた経緯はどうか。首相は何も指示していないのか。側近や官僚が忖度(そんたく)して公平・公正であるべき行政をゆがめたことはないか-。解明すべきテーマは山ほどある。

 特区担当の内閣府が文科省に「総理のご意向」などとして対応を促したとする文書も見つかった。

 設置審でも計画を疑問視する指摘が相次いだ。今年5月の1次審査で獣医、獣医保健看護両学科を合わせて改善が必須という是正意見が10件、それに次ぐ改善意見も19件、要望が1件出ていた。

 8月の2次審査でも是正が1件、改善が11件あった。学園側は入学定員削減や実習助手採用など計画不備の対応に追われたという。

 認可答申に当たっても病原体を取り扱う実習での安全性など8項目を留意するよう注文が付いた。

 こんな状況で開学して大丈夫か。開学すれば国から多額の私学助成金が交付され、愛媛県と今治市は最大96億円の補助金を支出する。そもそも本当に獣医師不足なのかとの指摘もある。国民の政治・行政不信を払拭(ふっしょく)するためにも加計氏ら関係者の招致を含め国会は疑惑解明に全力を尽くすべきだ。


=2017/11/11付 西日本新聞朝刊=

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