代表質問 野党の課題も浮き彫りに

 野党は今のままで政権監視や政策提案の重責を果たせるだろうか。そんな懸念を抱かざるを得ない通常国会冒頭の論戦である。

 衆参両院できょうまで開かれる代表質問で、分裂前は同じ民進党だった4氏が異なる会派の代表として登壇した。立憲民主党の枝野幸男、希望の党の玉木雄一郎、民進党の大塚耕平、衆院「無所属の会」の岡田克也の4氏である。

 憲法改正について玉木氏が、9条に自衛隊明記という安倍晋三首相の改憲案に反対の姿勢を示した点は注目される。自民、公明の与党、日本維新の会に加え、希望の党の賛同も期待していた首相には思惑違いになったのではないか。

 ただ全般的に4氏の質問や主張は似通っていた。憲法のほか、働き方改革、待機児童解消、財政健全化、消費税増税、脱原発、安全保障、森友・加計(かけ)学園問題-どれも取り上げたいテーマだろう。

 元は同じ党に所属しており、質問が重複するのはやむを得ないかもしれない。しかし、異なる切り口で質問もできたのではないか。

 各党で得意な政策分野を振り分け、集中的に質問することも可能なはずだ。満遍なく質問するより、審議内容も深まるだろう。

 結果として、首相も同じような答弁を繰り返した。もし首相に「野党がばらばらになって、答弁が楽になった」と思わせたとしたら「多弱」の弊害にほかならない。

 主張も似る4党・会派はそもそもなぜ分裂したのかという素朴な疑問が改めて浮かぶ。憲法観や安全保障政策の違い、共産党との選挙協力の是非が原因とされるが、昨年の衆院選を巡る「排除」問題が相互不信を根深くしている。

 通常国会を前にした希望の党と民進党の統一会派構想もいったん合意しながら、双方の内部で反発を招いて断念に追い込まれた。

 分裂した野党は巨大与党にどう立ち向かうべきか。それぞれの政策を磨きながら、今後の予算委員会をはじめ国会対応で連携の実績を積み上げ、相互の信頼を回復することだ。国会論戦を通じて政治に緊張感を呼び戻してほしい。


=2018/01/25付 西日本新聞朝刊=

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