森友学園問題 疑惑の解明へ証人喚問を

 もう「逃げ」は許されない。国有地格安売却の森友学園問題を巡る疑惑がさらに深まった。安倍晋三首相の妻昭恵氏と佐川宣寿国税庁長官(前財務省理財局長)の証人喚問抜きに解明は進まない。

 通常国会でも森友学園問題が野党質問の相当部分を占めている。昨年の通常国会以来、追及が続いているのに、全容解明どころか、新たな疑惑が噴き出している。

 国民の財産である国有地がどんな経緯で鑑定価格の86%引きという破格の値段で売却されたか。そこに首相や政権の政治力は影響していないのか。官僚による忖度(そんたく)は本当になかったか-。

 そうした肝心な点について政府が説明を避けているからだ。

 今国会でも、佐川氏の過去の国会答弁と矛盾する内容の新たな財務省の内部文書や、昭恵氏の名前が登場する音声データの存在が取り上げられた。

 近畿財務局が大学教授の情報公開請求を受けて開示した文書には「土地を安価に買い受けることで問題解決を図りたい」とする学園側の要望が記載され、価格交渉をしたことをうかがわせた。

 昨年7月に国税庁長官に就任するまで担当局長だった佐川氏は「学園側と価格交渉したことはない」「経緯を示す文書は廃棄した」と言い続けた。その答弁が虚偽だった疑いが生じた形だ。

 共産党が入手した音声データでは、学園の籠池(かごいけ)泰典前理事長が、財務省側と面会直後に昭恵氏から「頑張ってください」との電話があったと語っている。

 昭恵氏は疑惑について一度も公式の場で説明していない。佐川氏も長官就任の記者会見すらしていない。野党が両氏の喚問を求めるのは当然だが、与党は「昭恵氏は私人。財務省は後任の理財局長が答弁する」と拒否している。これでは真相解明から逃げていると思われても仕方ない。

 与党は両氏の証人喚問に応じるなど疑惑解明に取り組むべきだ。「丁寧に説明する」と国民に約束した首相も自ら指導力を発揮すべきではないか。

=2018/02/06付 西日本新聞朝刊=

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