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74年前の10月21日…

 74年前の10月21日、雨の明治神宮外苑競技場で行われた出陣学徒壮行会で答辞に立った学徒代表が、戦地行きを命じられることなく終戦を迎え、以後、長く沈黙してきたことを知る人はそう多くない

▼「挺身(ていしん)以(もっ)て頑敵を撃滅せん」「生等(せいら)もとより生還を期せず」…。行進した約2万人を代表して激烈な言葉を吐いた東京帝国大(現東大)生の江橋慎四郎さんは現在97歳。閉ざしていた口を開き始めたのは90歳を超えてからだった

▼「答辞はわが身にとっては名誉なこと。だが戦没者のことを思えば何も言えない」(2010年、朝日新聞)。「あんな言葉を使った自分も時流に乗ろうとした一人だった。戦争は二度とやってはいけない」(13年、毎日新聞)

▼入隊後に国内の基地などを転々としたことについて「軍部と裏取引があった」とデマも流された。命を永らえたことで中傷めいたことも書かれた。「言いたければ勝手に言えばいい。僕には僕の人生が」

▼今夏の本紙記事は、江橋さんが戦後歩んだ道に沿って平和の意味を考えていた。東大に戻り教育者になった江橋さんは、鹿児島県鹿屋市の鹿屋体育大創設に尽力し、初代学長に

▼鹿屋には特攻隊基地があったが、こだわりはなかった。「心も体も爽やかな人間をつくりたい」と思った。鹿屋体育大は五輪選手を輩出中。学生を出陣させた神宮外苑は21年後に五輪開催地となり、今再び五輪準備が進む。


=2017/10/21付 西日本新聞朝刊=

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