北米の先住民の中で最も攻撃的な部族とされるアパッチ族…

 北米の先住民の中で最も攻撃的な部族とされるアパッチ族。白人の開拓に抵抗し、勇猛さと奇襲で入植者を震え上がらせた。「アパッチ」は本来、「敵」を意味した先住民の言葉が部族名として広まったそうだ

▼白人がその名を恐れたように、相手を恐れさせようという狙いか。空から敵に奇襲を掛ける米軍の攻撃ヘリコプターに「アパッチ」の通称が採用された。戦車を一撃で破壊できる“最強のヘリ”として、日本などにも導入されている

▼陸上自衛隊の「アパッチ」が、佐賀県神埼市の住宅に墜落して炎上、乗員が死亡した。家の中には小学5年の女児がいた。幸い、逃げる際の軽いけがで済んだ。近くには小学校や認定こども園もあった。一歩間違えば、と思えばぞっとする

▼昨年末から、沖縄で米軍ヘリの部品落下や不時着が相次ぎ、小欄も批判してきた。今度は自衛隊が。しかも、民家に落ちるとは。「米軍しっかりしろ」とばかりは言えなくなった

▼いや、基地問題に絡んで米軍のトラブルが目立つだけで、自衛隊でも事故は起きている。昨年1年間で3機の自衛隊機が墜落し、合わせて隊員9人が死亡、2人が行方不明に。いずれも山中と海への墜落だった。今回は、民家への被害を避けることもできなかったのか

▼国民の安全を守るはずの自衛隊機が、住民に恐れられ、敵視されることがあってはなるまい。改めて「しっかりしろ」と言いたい。


=2018/02/07付 西日本新聞朝刊=

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