トヨタ自動車の「プリウス」が先月、発売から20年を迎えた…

 トヨタ自動車の「プリウス」が先月、発売から20年を迎えた。ガソリンエンジンと電気モーターを併用して走る、世界初の量産ハイブリッド車(HV)だ。当時、同クラスの車と比べて約2倍の燃費性能を達成。自動車業界に衝撃を与え、エコカー開発競争の先駆けとなった

▼排ガスや二酸化炭素を出さない電気自動車は「環境に優しい」と注目されてきた。だが、長距離を走るための大容量蓄電池の実用化が難しく、充電施設の普及などの課題もあった

▼HVは、発進や低速の時はモーターで走り、ガソリンを使う高速走行時に充電する仕組み。両方の利点を生かして「使い勝手の良さ」を追求した開発は、自動車の歴史を大きく前進させた

▼こちらの「使い勝手の良さ」は歴史の針を巻き戻す改悪だ。トランプ米政権の新たな核戦略指針。小型核兵器を開発し、核兵器使用の条件も緩和すると発表した。従来の核兵器は破壊力が大き過ぎて使えないので、爆発力を抑えた「使える核」を持つというのだ

▼ロシアや中国が黙って見ていようか。核軍拡にしのぎを削った冷戦時代の悪夢がよみがえる。核兵器禁止条約が採択され、高まった核兵器廃絶の機運に冷水を浴びせることにもなる

▼これを日本政府は「歓迎」というのだからあきれる。威力の大小ではなく、核兵器は恐ろしいものだということが分からないのか-。被爆者の訴えが届かない現実が歯がゆい。

=2018/02/08付 西日本新聞朝刊=

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