同じ日、同じ病院で2人は産声を上げた…

 同じ日、同じ病院で2人は産声を上げた。ヒロインと幼なじみの男の子だ。今月始まったNHK朝の連続ドラマ「半分、青い。」。生まれたばかりの2人は仲良く隣り合わせのベッドに。男の子は「かわいい」と言われ、ヒロインは「サルみたい」と

▼ドラマの演出はともかく、親にとってわが子が一番かわいいもの。見間違えることはまずあるまい。だが、初めて抱っこして顔を見る前に、赤ちゃんが取り違えられていたら-。順天堂大順天堂医院(東京)が約50年前に「新生児の取り違えが発生した可能性が極めて高い」と発表した。当事者と母親のDNA鑑定で分かった

▼取り違えの相手方もある程度絞られた。ただし現在の平穏な生活を乱し、取り返しが付かなくなることを懸念して、伝えていない。本人や家族から問い合わせがあれば対応するという

▼突然、真実を知らされる人の衝撃はどれほどか。これまで築いてきた家族関係や社会的立場も一変しよう。「運命のいたずら」という言葉しか浮かばない

▼40年以上前に「赤い運命」というドラマがあった。裕福な家の赤ちゃんが台風で行方不明になり、施設で育つ。身元を示す品が取り違えられ、貧しく粗暴な男の娘として生きることに。山口百恵さん演じるヒロインのけなげさに胸を打たれた

▼人生を狂わすこんな過ちが現実に起きてはならない。新たな命と関わる人はくれぐれも注意してほしい。

=2018/04/14付 西日本新聞朝刊=

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