「平成」もあと1年余り…

 「平成」もあと1年余り。世紀をまたいだこの30年の回顧企画が種々のメディアで始まった。時代を明るくした人たちを、ここではスポーツの世界から挙げてみる

▼女性が活躍の舞台を広げた時代、ということでいえば、女子サッカーが世界を制した2011年ワールドカップ決勝での、澤穂希選手の芸術的ゴールが忘れられない

▼その11年前のシドニー五輪・女子マラソンの高橋尚子選手もかっこよかった。優勝を決めた35キロ手前のスパートが、サングラスを投げ捨ててから始まったことを映画の名場面のように思い出す

▼先日のテレビで「実は…」と話していた。スパートの合図というわけではなかったそうだ。投げても当たらないようライバル選手の前に出たら、相手が遅れ始めたのでそのまま突っ走った、と(TBS系「スポーツ 天国と地獄~今だから話せる!あの名場面のウラ側」)

▼サングラスは父親に向かって投げたが、小出義雄監督に拾ってもらうつもりだった。待っているはずの監督は20キロで「勝てる」と思い、次の地点は見ずに競技場へ。ゴールした高橋選手は一緒に喜びたくて監督を探し、見つけて駆け寄った時は目が潤んでいた

▼その数時間前、スタート地点近くでポップ調の曲をヘッドホンで聴いてから臨んだレースだった。シドニーの青い空の下でのポップ音楽風“サングラス、ポイ”の金メダル劇は、最後は少し演歌が似合った。

=2018/04/15付 西日本新聞朝刊=

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