「国王侮辱」広がる"魔女狩り" タイ、ネット投稿で

 【バンコク浜田耕治】タイのソーシャルメディアで亡くなったプミポン国王を侮辱する書き込みを行ったとして、群衆が投稿者に集団で暴行を加えたり、つるし上げたりする動きが相次いでいる。国全体が追悼ムードに包まれる中、異論を許さない「魔女狩り」が一部で横行している。

 地元メディアによると、中部チョンブリ県では18日、王室を侮辱する投稿をしたとして、男性(19)の勤務先に大勢の人々が押しかけた。会社側は男性を解雇したと説明し、自宅住所を教えた。男性が人々に顔を蹴られる様子や「死にたいのか」と言われ、国王の肖像に土下座して謝罪させられる動画がネットに掲載された。

 南部プーケット県では国王死去の翌14日夜、黒い服に身を包んだ約千人の群衆が商店に押しかけ、「外に出てこい!」と店主の息子に罵声を浴びせた。息子はフェイスブックに「人がいつか死ぬのは当然のことだ」と投稿。群衆は王室への侮辱を禁じた不敬罪に当たると訴え、警察に身柄を拘束するよう求めた。

 タイでは王室を中傷すると不敬罪に問われ、1件で最長15年の禁錮刑を科せられる。国王は人々の敬愛を集めているため、王室について議論することはタブーだ。国王の死去後、その傾向は激しさを増している。

 これまでに報道されただけでも、南部サムイ島、南部パンガー県など計6カ所で、王室を中傷したとされる人を糾弾する騒ぎが起きた。黒い服を着ていない人をネット上で批判する動きもある。プラユット暫定首相は18日、こうした行為は「国民を分断し、互いに傷つけることになる」と懸念を示した。

=2016/10/20付 西日本新聞朝刊=

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