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同性婚法制化、台湾の挑戦 アジア初へ、4度目の法案審議

婚姻の平等などを訴えるプラカードを手に台北市内を練り歩くLGBTパレードの参加者=昨年10月
婚姻の平等などを訴えるプラカードを手に台北市内を練り歩くLGBTパレードの参加者=昨年10月
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 【台北・中川博之】アジアで初めての同性婚法制化を目指す台湾の民法改正案を巡る審議の行方に内外で関心が高まっている。同様の法案は過去にも立法院(国会)に3回提案されたが、全て廃案に追い込まれており、4回目の挑戦。平等な社会の実現を目指す蔡英文総統は「全ての愛は平等」と同性婚を支持しているだけに、性的少数者(LGBT)たちは法案成立に期待を高めている。

 台湾の法律、人権問題に詳しい鈴木賢・明治大法学部教授によると、台湾では38年間続いた戒厳令が1987年に解除された後、人権意識の高まりで女性運動などが活発になり、性差別撤廃に向けた取り組みが急速に進んだ。LGBTについても、法律で雇用差別を禁じ、ドメスティックバイオレンス(DV)の対象になることを明記している。

 ただ、従来の家族のあり方と異なる同性婚には反発が根強い。2006年以降3回議員提案されたが、いずれも廃案になった。

 今回は与野党議員らが昨年11月に複数の法案を提案。成立の期待が高まっているのは、人権や平等を重視する民主進歩党(民進党)の蔡英文政権が昨年5月に発足し、立法院でも過半数を占めているからだ。

 蔡政権は昨年10月、LGBTと公言するインターネット起業家の唐鳳氏を閣僚に起用。03年から台北で開かれているアジア最大規模のLGBTパレードには、昨年過去最多の8万人余り(主催者発表)が参加した。同性パートナーを認める登録制度も台北、高雄、台南、台中などの主要都市で導入されている。

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 一方、民法改正案の審議が始まった昨年11月、「家庭や結婚制度が崩壊する」と主張する反対派の市民が、立法院の前で約1万人のデモを実施。民間団体の台湾民意基金会の世論調査では、11月時点で法案賛成46%、反対45%と伯仲し、12月には賛成37%、反対56%と賛否が逆転した。蔡総統は「立法委員の判断を信じ、尊重する」として、中立の立場だ。

 民法改正案は12月下旬に立法院の司法法制委員会を通過。与野党協議が順調に進めば今年4、5月ごろ本会議で採決される見通しだが、さらに反対の声が高まる可能性もあり、先行きは不透明だ。

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 台湾の動向は日本でも注目されている。同性婚実現を目指すNPO法人「EMA日本」によると、同性婚が法制化された場合、実子や養子の親権をパートナーと共同で持てる▽パートナーの遺産を相続できる▽医療保険の被扶養者になれる-など約60の利点がある。

 現在、同性婚を法制化している国は20カ国以上あるが、欧米や中南米が中心でアジアにはない。EMA日本の岩渕智広理事は「台湾で同性婚が法制化されれば、日本をはじめアジアの国々の関心も一気に高まるはずだ」と期待する。

 鈴木教授は「(LGBT)本人たちが同性婚の法制化に求めるのは、制度的なメリットよりも同性愛者と異性愛者を差別しない平等な社会の実現の方が大きい。法制化は時代の流れ。いずれは女性の参政権と同じように当然のものになるだろう」と指摘する。

=2017/01/29付 西日本新聞朝刊=

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