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少女像保護 強まる運動 日韓関係憂える釜山市民も

大学生らで結成された「少女像を守る会」=釜山市東区
大学生らで結成された「少女像を守る会」=釜山市東区
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釜山の日本総領事館前に設置された少女像
釜山の日本総領事館前に設置された少女像
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 韓国・釜山市東区の日本総領事館前に、従軍慰安婦問題を象徴する少女像が設置され、30日で1カ月を迎える。地元では、像を保護しようとする動きが盛り上がりを見せ、日本政府が求める撤去の見通しは立たない。像の保護に賛同の声が広がる一方、日韓関係の悪化を憂慮する市民の声は少なくない。 (釜山・鶴加寿子)

 「慰安婦問題を記憶するために少女像をたてた。このことを日本人にも伝えてほしい」。設置運動に関わってきた釜山大の馬禧陳(マヒジン)さん(22)は、像の前でこう訴えた。馬さんは大学生ら25人で「少女像を守る会」を18日に結成。交代で毎日2~3時間ずつ像を見守り、訪れた人に像の設置理由を説明している。

 守る会の学生たちは、2015年12月の慰安婦問題に関する日韓合意を問題視。「歴史にふたをしようとしている」と無効化を主張している。日本が拠出した10億円についても、馬さんは「金で問題が終わるとは思わない」と話した。

 少女像を設置したのは労組や女性団体などでつくる市民団体。中心団体の一つで南北統一運動などに取り組む「釜山キョレハナ」は「(元慰安婦の)被害者の痛みを日本人も理解してほしい」と訴える。

 こうした団体による少女像の設置や保護の動きについて、韓国では肯定的な報道が目につく。長嶺安政・駐韓大使らの一時帰国など日本政府の対抗措置に対し、地元紙は社説で「経済大国の傲慢(ごうまん)さだ」と批判した。

 少女像が設置された総領事館前の歩道を管轄する釜山市東区の区長は、監視カメラの設置など、像の「永久的な保存管理」を検討する方針。像の撤去は困難な状況だ。

 一方、街で市民の声を聞くと、像の保護の動きに賛同しつつも日韓関係を憂慮する声は多い。日本留学経験がある不動産業の男性(27)は「日本人の友人もいるし、韓日関係がこれ以上、悪化するのは避けたい」。タクシー運転手の男性(53)は「合意の無効化を主張されては、日本が怒るのも分かる。隣国だから仲良くしないといけないのに頭が痛い」と話した。

 日韓交流を推進する市民団体は、いずれも「政治がどうあろうと、活動内容は変わらない」と強調。日韓の釜山市民でつくる「ぷさんさらん」は14日、釜山市の児童養護施設で、交流会を開いた。施設で過ごす子どもたちに日本文化に触れてもらおうと、かるた遊びやたこ焼き作りなどで交流。昆(こん)雅之代表は「子どもたちに、日本人に遊んでもらった、という楽しい記憶が残ればいい。そのうちに政治や歴史の問題を乗り越えられると信じている」と話した。
=2017/01/30付 西日本新聞朝刊=

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