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衆院選海外の反応 米国 同盟の強化に期待感 中韓 9条改憲加速けん制

 22日の衆院選で自民党が大勝し、安倍晋三首相の続投が確実になったことについて、米国からは日米同盟の安定や強化につながると評価する声が相次いだ一方、中国や韓国では憲法改正の動きが加速することを警戒する見方が広がった。

 東アジア情勢に詳しい米マンスフィールド財団のフランク・ジャヌージ理事長は「日本の政権の安定は日米の関係構築をより容易にする」と述べた上で、最大の懸案である北朝鮮問題について「安倍氏は(軍事行動ではなく)外交だけが解決策だと理解しているはずだ」と指摘。日米外交関係者は「安倍氏には、武力行使をちらつかせるトランプ氏の歯止め役になってほしい」と期待感を示した。

 中国外務省の耿爽副報道局長は23日の記者会見で、改憲勢力が国会発議に必要な衆院3分の2の議席を確保したことを受けて「日本が平和発展の道を歩み、地域の安定に建設的な役割を果たすことを望む」と述べ、9条改正の動きをけん制した。

 通信社の中国新聞社(電子版)は「突然の選挙は安倍氏の権力固めと憲法改正への地ならしのためだ」とする識者のコメントを紹介し、改憲への警戒感をあらわにした。23日付の共産党機関紙、人民日報系の環球時報は「日本の有権者にとって安倍政権は多くの欠点があるものの、野党よりはまし。消極的な選択だった」との分析を掲載した。

 韓国の前国立外交院長で韓国外国語大客員教授の尹徳敏(ユンドクミン)氏は、北朝鮮情勢を背景に「日本の国民が安全、安心を求めて(外交実績がある)与党を選択した」と指摘。改憲に向けた動きが加速すると「韓国との関係が多少ごたごたするかもしれない」としながらも、「韓日両国は対北朝鮮政策で緊密に連携する必要があるとの認識で一致している」として、日本の政権安定を前向きに受け止めた。

 韓国メディアは、安倍氏が改憲で9条に自衛隊を明記すれば「戦争可能な国家になる」(朝鮮日報)と一様に警戒。革新系の京郷新聞は社説で「軍事大国を目指す安倍政権の動きは北朝鮮をさらに刺激しかねない」と主張した。ネット上では、北朝鮮の軍事挑発が保守系の安倍政権の“追い風”になったとして「自民党勝利の最大の功労者は北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長だ」との声も上がった。 (ワシントン田中伸幸、北京・川原田健雄、ソウル曽山茂志)

=2017/10/24付 西日本新聞朝刊=

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