米の政府機関閉鎖は回避 つなぎ予算2度目の失効、直後に上下両院可決

 【ワシントン田中伸幸】米連邦政府の予算が9日午前0時(日本時間同日午後2時)に失効した。予算失効は政府機関の一部が閉鎖された1月20~22日以来、今年2度目。ただ、議会上下院が9日未明から早朝にかけて、新たなつなぎ予算を盛り込んだ予算案を相次ぎ可決。トランプ大統領が同日午前、署名して予算は成立した。予算失効状態は短時間で解消され、実質的な政府閉鎖は免れた。

 成立した予算には、トランプ氏が求めていた国防費増額のほか、民主党が要求していた公共事業費や医療関連費などを積み増すために、歳出上限を2018会計年度(17年10月~18年9月)からの2年間で約3千億ドル(32兆7千億円)引き上げる内容などが含まれる。新たなつなぎ予算の期限は3月23日。

 予算案は議会上院の与党共和党と野党民主党の指導部が協議して7日までに取りまとめたが、8日になって共和党の上院議員1人が歳出上限引き上げによる財政赤字拡大を理由に反対し審議が一時、停止。同日中に採決に入れなかった。

 結局、上院は9日未明に審議を再開し、民主党の一部賛成を得て予算案を可決した。下院でも共和党内の財政規律を重視する一部議員が予算案に反対したが、逆に民主党の一部が賛成に回り、可決した。

 一方、1月20日の予算失効の原因となった、幼少期に親に連れられて不法入国した若者らの救済策など不法移民対策を巡る与野党の対立は、8日までに決着を図ることになっていたが、トランプ氏や共和党と民主党との意見の隔たりが大きく、先送りされた。

 トランプ氏は若者らの一部を救済するのと引き換えに、不法移民流入阻止を目的としたメキシコ国境の壁建設を予算化するよう求める案を提示している。だが、民主党に加え共和党内にも異論があるほか、世論の反発も強く、決着の見通しは立っていない。

=2018/02/10付 西日本新聞朝刊=

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