圧巻だ! 最強だ! 不敗軍団が歴史を塗り替えた。第89回全国高校ラグビー大会最終日の7日、大阪・花園ラグビー場で決勝を行い、東福岡(福岡)が31―5で桐蔭学園(神奈川)を破り、2大会ぶり2度目の優勝を飾った。初戦の2回戦から5試合で挙げた総得点は274点で、第77回大会で優勝した国学院久我山(東京)の270点を抜いて大会史上最多得点となった。春の全国選抜大会と合わせた春冬連覇は史上3校目で4度目の快挙。新チーム発足後、国内勢に無敗の30連勝と「真の頂点」に立った。
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ヘッドギアをかなぐり捨て、両手を突き上げたプロップ垣永真之介主将(3年)の胸に、東福岡フィフティーンが次々に飛び込む。「最高の仲間と最高のパフォーマンスができた。この仲間と出会えたことが奇跡です」。垣永の傷だらけの顔に笑みが広がった。
最後まで圧倒的な強さを見せつけた。前半9分だ。モールからパスを受けたSO加藤俊介(3年)が約60メートルを独走。フェイクを入れて1人、緩急を使ったステップで相手エースFB松島をかわして先制トライを決めた。同点の同24分にはSH香山良太(3年)が相手キックをチャージ。インゴールに転がったボールに飛び込んで勝ち越しトライを挙げると、同28分には垣永がポスト左に飛び込んだ。
一進一退だった序盤の攻防をしのぎ、一気に王者の独壇場に。「日本一を取るのはおれたちだ!」。ハーフタイムの円陣で垣永が叫んだ。高校日本代表候補8人を含むタレント軍団をまとめ上げてきた。トライした選手だけでなく、起点となった選手、体を張ってサポートした選手を抱き締め、たたえる。ミスを責めず、前向きな言葉で仲間を鼓舞し続けた。頼もしい主将の一声に、仲間たちも雄たけびで応えた。
スクラム最前列に立ちはだかる180センチ、105キロ。その大柄な体がコンプレックスでもあり、楕円(だえん)球を追うきっかけにもなった。幼いころからぽっちゃり体形。ダイエットになればと始めたのがラグビーだ。生まれる直前まで「真理子ちゃん」と名付けられるはずだった〝両親の予想に反する〟男の子は、まさに男になった。
史上最強との呼び声も高いが、「そうじゃない。みんなが地味な仕事に一生懸命になれるから日本一になれたんだと思います」と垣永は言い切る。チームに尽くす「愛」を合言葉に、泥くさく献身的な守備からボールを獲得。攻撃となれば抜群のセンスを爆発させ、積み重ねた得点は大会史上最多の274点だ。花園の歴史を塗り替えた。
優勝候補との前評判に首を振り続けていた谷崎重幸監督(51)も、「終わってみるとやっぱり強かったですね」とうなった。フェニックス(不死鳥)の異名を持つ無敵の軍団は、国内勢に一度も負けることなく、日本の頂点に立った。 (丹村智子)
=2010/1/8付 西日本スポーツ=