最強高校生の物語がついに幕を閉じた―。バレーボールの全日本選手権第3日は19日、東京体育館で準決勝の男女計4試合を行い、女子でプレミアリーグ2チームを2試合連続で撃破してきた東九州龍谷高(大分)がプレミアリーグ2位につける久光製薬(佐賀)にセットカウント1―3で敗れた。久光製薬は20日の決勝でデンソー(愛知)と対戦する。男子は2大会ぶりの王座を目指すJTが2連覇を狙う東レに3―2で勝ち、プレミアリーグ首位のパナソニックは堺を3―0で下した。
◇ ◇ ◇
すべてを出し切った。1年間を戦い抜いた東九州龍谷の選手たちは、泣きながら笑って東京体育館のコートを去った。
「高校3冠に加えて、プレミアにも2勝できて自信になりました。悔いはありません。充実した3年間でした」。持ち味の高速コンビバレーを支えたセッター栄の笑顔は晴れやかだった。
プレミア6位のNEC、7位のパイオニアを倒した力と技は、2位の久光製薬にも発揮された。試合開始から速攻で相手を揺さぶり、ブロックに就かせない場面もあった。ただ、速いサーブで崩され、第1セットを22―25で落とすと、第2セットも立て直せなかった。
第3セットを前に、相原監督がハッパを掛けた。「止められても剛速球で勝負しろ。涙を流しながら打て」。これで長岡、村田、鍋谷のスパイカー陣が目覚めた。「それまで逃げに入るところがありました。相手に立ち向かっていないと監督に怒られました」と長岡。移動攻撃での強打で活路を開き、25―23で1セットを取り返した。
「ああ言ったのだから、私も泣きながら指示していた。選手の顔が子猫からライオンに変わった。プレミア上位相手に高校生が1セットを取れたのは、今後のバレー界の発展につながる」。指揮官の魂が震えた。
第4セットは力尽きた。それでも見事な戦いだった。久光のブラジル人エース、オリベイラの強烈なスパイクをきっちり拾った。準々決勝からの2試合はサーブミスでの失点がなかった。速さ、守り、正確性…すべてが高校生離れしていた。
「私が教えた中でも最高のチーム。今後これより強いチームが現れるのだろうか…と思っています」。相原監督は選手たちに最大限の賛辞を送った。2009年の東九州龍谷高は日本バレーボール界の伝説となった。 (林 原弘)
=2009/12/20付 西日本スポーツ=