
四川大地震の被災地から北京動物園に贈られた「五輪パンダ」。エサを食べる姿、だらしくなく寝そべる姿が人気の理由か(撮影・岡部拓也)
北京五輪のマスコット「福娃(フーワー)」の5つの顔を見ていた子どもが「この中で1つだけ違うのは、何でしょう」となぞなぞを出してきた。答えはパンダの「晶晶(ジンジン)」。理由は「ほかは全部、人間」。「実は架空のキャラクターなんだけど」と無粋な返事をしかけたが「パンダが一番かわいいもんね」と答えた。
五輪を盛り上げるため、今、北京動物園では四川省から期間限定で贈られた8頭の「五輪パンダ」が観光客の目を楽しませている。いずれもインターネット投票で選ばれた折り紙付きのかわいらしさ。パンダの顔など、どれも一緒かと思っていたが、よくよく見ると、黒ぶちの形がすべて違う。
5月の四川大地震では、パンダ保護研究センターが大きな被害に遭い、その動向が国内外の注目を集めた。北京動物園の五輪パンダ館にも、大地震時の救出劇の写真などが展示され、募金箱もある。震災の心理的ショックから、北京では当初、食欲もなかったそうだ。だが、飼育員の手厚い世話で元気になり、竹をかじりながら愛嬌(あいきょう)を振りまいている。競技を終えた各国選手の来園も多く、激闘の疲れを癒やしてくれている。
中国紙によると、五輪開会式の8日、四川省のパンダ保護研究センターでは、パンダの赤ちゃんが誕生。五輪を意味する「奥運(アオユン)」と名付けられた。相変わらず、なかなかの役者ぶりじゃないか。
五輪後も、しばらく同園にとどまるパンダたちにまた会いに行こうと思う。四川大地震を忘れないために。五輪を陰で支えてくれたお礼を言うために。「謝謝大家(シエシエダージャ)(みんなありがとう)」 =おわり
(北京・椛島滋)
=2008/08/25付 西日本新聞朝刊=