ボラは、どの釣りでも外道扱いにされる。巨大な群れ、外洋から汚れた汽水域までの生命力、季節によってのひどい臭いなどの理由で外道魚の代表なのだが、地中海では最高の魚とされ、専門の漁師が多い。
日本では、釣り文化の奥深さからか、魚の釣り味を評価する。ボラはその点、あいまいで、これといった釣り技が確立されていない。赤い布を水中でヒラヒラさせて寄せかけ、針で掛けるといった釣りは地域によってはある。その点、ウマヅラハギとも似ているなと思う。ウマヅラハギを大きなかけ針でガックンと掛ける光景は、鹿児島でよく見かける。
ボラのこのような扱いは、複雑な食性にもよるものだろう。海底の泥の中をほじくっているかと思えば、水面の流下物をパクパク食う。釣り人からするとわけのわからないプランクトンも食う。つかみどころがない。
写真の魚は昨年11月、裏の浜でカタクチイワシの稚魚を群れで食っていた。スズキだと思ってキャストしたらボラだった。 (寺島亮嗣)
鹿児島県薩摩半島・野間岬南西約80キロの東シナ海に、家島と向島を中心に、40ほどの島や瀬で成る宇治群島(南さつま市)と、その南30キロ余にある草垣群島(同)は、西の長崎県・男女群島(五島市)と肩を並べる九州3大釣り場だ。いま好機を迎えた。 (弾涛竿)
阿久根市の瀬渡し船・第三海交=0996(72)2966=は、宇治群島に1泊2日釣りで行くことが多い。で、先の大型連休スタート時の4月29、30日の釣りでは底物好調。
熊本県合志市の松本伸二さん(名礁会)は、スズメ島のカブリのハナレで80センチ、8・5キロの今期最大のクチジロイシダイを釣り上げた。
同船の竹下堅船長はいう。「5月上旬で、水温が19度近く、イシダイの乗っ込みシーズンが始まった。今年は水温上昇が鈍く、上物は夜というところか。まだ2―3キロのオナガが散発的だが釣れており、日中は1キロ前後のクロ(クチブト)が10―20匹出る。イシダイ本番はこれからだ」。
水温上昇につれてイシガキダイの魚影も濃くなった。鹿児島県出水市高尾野町の南津貞夫さんは、このとき、スズメの西の地で2キロ前後の良型イシガキダイを6匹釣った。積極的な持ちざお釣りでの餌はアカガイのむき身やヤドカリが効率的。置きざおでの釣りや、餌取りが多い場合はガンガゼなどのウニが有利。イシダイはこれから本番。夜はアラ(クエ)も狙える。
アラといえば、南に隣接する草垣群島も宇治群島をしのぐ釣り場。福岡県宇美町の杉野雅実さん(51)=はかた石鯛クラブ会長=は5月4日、鹿児島県枕崎市から第8美和丸=099(281)7765=で草垣群島の7番瀬の裏に渡って夜戦。
サバの1匹掛けを餌に朝マズメに113センチ、23キロの大物のアラを仕留めた。草垣ではこれから夜はアラやフエフキダイ、日中は乗っ込みイシダイ有望。渡しは乗合2万5000円。
この時期の磯釣りの世界は、乗っ込みチヌが産卵を終え、梅雨グロはまだ早く、イサキがボチボチといったところだが、今年の長崎県の平戸、五島海域は海水温が上がらず、パッとしない釣況が続いている。が、それでも釣りに行きたいのが釣り師。今月12日、天気予報に反して風が収まったので、昼すぎから日没までの4時間、鬼塚祐一さん(佐世保黒磯一心会)と長崎県の佐世保沖、片島のハナレ(瀬)でさおを出した。狙いはオナガとイサキである。 (米山保)
鬼塚さんは第1回東レカップの優勝者。それだけに、潮の読み、それに対する仕掛けのチョイスなど、釣れない時でも卓越した技を発揮する。
まき餌はオキアミ2角+集魚剤1・5袋(エキスパートグレ)。つけ餌はオキアミを使用する。
午後2時、スタート。上げ潮に半遊動仕掛けを送り込む。が、大潮というのに潮行きが悪く、反応なし。餌取りのスズメダイだけが活発に動き回り、たまに浮きを消し込む当たりはバリだった。
午後3時。上げ潮が片島本島に向けて流れ出した。本命潮である。餌取りを手前に集め、さお4本先に仕掛けを送り込む。すると仕掛けがなじむと同時に浮きに変化が。だが戻ってしまった。仕掛けを回収すると餌がかじられている。食い渋っているようだ。
再び投入。そして今度は浮きが押さえ込まれると同時に手首を返すとグンと乗った。37センチのメイタだった。続けて鬼塚さんも同型をゲットする。しかし、すぐに潮は止まり、海は再び沈黙してしまった。
午後5時。オナガの回ってくる時間帯である。期待が高まった。潮も沖に向かって緩やかに流れ出し、第六感だが辺りにオナガの気配が漂ってきた。磯上を緊張感が支配する。が、第六感は外れ、夕マズメは空振りに終わってしまった。
午後6時。納かん。今回は貧果に終わったが、12日現在、海水温は18度まで上がったので、来月になれば梅雨グロやイサキが活発に餌を追うだろう。楽しみである。
ロウニンアジ、ギンガメアジ、カスミアジの仲間は、海のライトタックルゲームの中では、最も強烈な引きをする。
魚体を見て分かる。すべてのヒレは先鋭く伸び特に尾ビレは強い張りを持って付け根の筋肉は固くしまっている。スピードとパワーを併せ持つ魚体である。
針がかり時の重さは半端ではない。フライラインをしっかり握っていないとそのままラインを持っていかれる。淡水の釣りとは異次元の釣りと言ってよい。
写真の魚は、50センチの魚で、左手前がロウニンアジ、右上2匹がギンガメアジ。この程度の魚でも、防波堤や磯から捕ろうとすると10番ロッドでないと捕れない。40センチくらいの型では8番ロッドでやっと持ちこたえられる。
写真の魚は、消波ブロックの上から釣ったが一気に走り、バッキングラインを引き出し、急な走りでバックラッシュを起こしてしまった。
海の魚は、まだまだ開拓途中である。ボートからのゲームも今後展開されていくだろう。 (寺島亮嗣)
◇平戸宮の浦 クロ、ブリなど多彩 長崎県西海市一帯◇

どこの釣りクラブによらず、釣り大会が決まると、その前に試し釣りに出掛ける人がいる。長崎県長与町岡郷の堀内正昭さん(全九州釣ライター協会)は4月半ばに予定されたGFG(がまかつフアングループ)長崎県支部の大会に備えて同月初め、会場へ偵察釣りに出掛けた。もちろん、その後の本戦にも参加した。 (弾涛竿)
会場にあてられたのは長崎県西海市一帯。堀内さんとクラブ仲間の森雅治さん(33)=長与町=は早朝、同市七釜の五幸丸=0959(33)2240=で約15分の端ノ島に渡った。
東側突端の好ポイントに入った森さんが大物を掛けて大きくさおを曲げたが、繁茂する藻にへばり付かれて大苦戦。しかし、慎重に対応して引きずり出したのは46センチ、1・5キロのチヌだった。
渡船代は端ノ島の場合乗合3500円。
4月16日、GFG長崎県支部は参加51人で、恒例のチヌ釣り大会を行った。

前出の堀内さんは先に下見した七釜の五幸丸で、この日は兜(かぶと)瀬に渡ったが釣果に恵まれなかった。
この日は強い北風が入り水温が下がる悪条件だったが、優勝は川原で吉山正蔵さんが釣った48センチ、1・63キロのデカチヌ。2位は端ノ島で46・6センチ、1・92キロを揚げた松尾哲也さん。3位は中ノ島で42・5センチ、1・33キロを釣った丸本達郎さん。
なお、堀内さんはその2日後の18日、平戸市宮の浦で行われたG杯チヌ釣り大会九州地区予選で、GFG長崎県支部大会で優勝した吉山さんと対戦し惜敗している。
全般の状況は同支部事務局・長崎市の谷崎漁具店=095(826)0138=が詳しい。

平戸宮の浦では先の連休、チヌやマダイ、クロ、イサキ、イシダイ、ヒラスズキ、ブリと多彩な釣果だった。丸銀釣センター=0950(29)1006=精通。
【写真説明】(上)46センチのチヌを釣って喜ぶ森さん(下)恒例のチヌ釣り大会で優勝した吉山さん(中央)、2位の松尾さん(右)3位の丸本さん
写真の魚は、一昨年、福岡県の玄界灘沖ノ島周りで福岡県太宰府市在住の倉富貴也さんが釣り上げたカンパチ。
昨年も同所でよく釣れた。カンパチの若魚は障害物に付くことが多く、流れ藻や流木に群れで集まり、フライをよく追う。釣期はシイラと同じで真夏から初秋にかけて。シイラで使う12番ロッドでは、ロッドが勝つので8番ロッドであればバットから曲がりちょうど良い。とにかくうまいものだからシイラはほどほどにして、小さい小魚を模したフライに結び替えてカンパチを狙うことになる。
カンパチは南洋性の魚なので、九州南部では防波堤からも釣れる。北部九州でも防波堤から釣れることがある。むろん、南部九州のほうが確率が高い。カマスを釣っていてカンパチが…ということもままある。
玄界灘に戻すと、沖ノ島まで行かなくても、近場のライトジギングで20メートルぐらいの中層で食いにくるので、550グレインくらいの重いフライラインで何とか釣れないものだろうかと考えている。釣り場も近く乗合料金も適当なのでチャレンジしやすい。 (寺島亮嗣)
3月1日の渓流釣り解禁以来、渓流の女王とされるヤマメは、日ごと育って25センチ前後の大物も多い。本来、深山幽谷に潜む魚だが、ゴールデンウイーク後のこの時期は、流れも緩い平場に出るから釣りやすい。渓(たに)は今、フジの花や岩ツツジに彩られ、ウグイスの声が渡る最高の季節。ヤマメ釣りの近況を案内しよう。 (弾涛竿)
福岡県田川市夏吉の佐藤昇二さん(43)ら4、5人グループは、渓流釣り精鋭集団。そのグループのうち佐藤さんら2人がこのほど出掛けたのは、宮崎県の一ツ瀬川源流部。ここは一ツ瀬川水系の遊魚証では釣りができないから、必ず椎葉村漁協=0982(67)3206=の日券1000円、年券3000円の入漁券を購入してから川に入る。
しかし、椎葉村の道路や川は、昨年の相次ぐ台風禍で、大きな損害を受け、川相は変わり、道路もいまだに通り難い所がある。このため佐藤さんらは、釣り場の手前に車を置いて、徒歩1時間で、椎葉村管内の一ツ瀬川上流部に入った。
餌はブドウ虫(バイオ)とキジ(シマミミズ)を用意したが、いつものように現場で黒皮虫やチョロ虫など、渓流釣り最高餌の川虫を採集する。釣り始めると予想以上に好調。2人は午後2時までに16ー23センチのヤマメが20匹平均の好成績だった。入漁券は村内の多くの商店が取り扱っている。
福岡県飯塚市相田山下の片岡徹二さん(52)と、前出の田川市の佐藤さんらは3月下旬、大分県竹田市で大野川と合流する支流の玉来川へ出掛け、午前7時、久保集落から入渓。この川の狙い目は川底の割れ目。ここにヤマメやアマゴが潜む。
川虫などを餌に16ー25センチのヤマメが午前7時から正午過ぎまでに1人5―6匹の成績だった。入漁料は日券2000円、年券5000円。釣況は釣具センター竹田=0974(62)2412。
熊本県の下梶原川(川辺川水系)のキャッチ・アンド・リリース区間が好調だ。
下梶原川は竹の川地区で川辺川と合流する。川辺川はご存じのように球磨川水系の一大支流である。川辺川ダム工事の行方が心配だが、ダム工事が続行された場合でも、下梶原川は水没することはない。いずれにしても、ダム本体工事が進めば、下流のアユ釣りが大打撃をこうむることは避けられない。
下梶原川は、球磨川漁協管内で、釣った魚は必ず放流されなければならない特区で、今シーズンは、前年から残った魚と成魚放流されたヤマメの状態がよく、竹の川地区から上流に向けて、大型・良型が釣れている。
写真のヤマメは32センチの超大型のヤマメで管理小屋「マダラ茶屋」付近で釣り上げられた。釣り人は里見栄正さん。東京都からの遠征だった。4月初旬のその日は雨後の増水の中での釣りでニンフでの釣果だった。今後も好調が続きそうだ。日釣り2000円。「マダラ茶屋」で釣り券は購入できる。 (寺島亮嗣)
まだまだ不安定な釣果のメバル。日によって釣果の差が激しいようだ。
春のメバルは、産卵後で深場から磯までイカナゴ(カナギ)を荒食いして産後の体力を回復しようとする。沖ではイカナゴ餌の胴付き仕掛けで底を釣り大型が揚がる。
フライフィッシングでは陸近くの浅場を狙う。4月中旬、福岡県宗像市神湊港沖勝島と福津市恋ノ浦沖をゲーム遊船ワイズ=090(8229)2992=で狙った。同船は、シーバスゲーム・ロックフィッシュゲーム・エギングなどをチャーター、乗合のいずれにも対応し、新たな分野を開拓している。特に、メバル・アオリイカのボートゲームは手軽な感覚で楽しめる。岸沿いの釣りなので船酔いの心配もあまりない。
当日は、イカナゴの接岸がなく水面のボイルはなく、底の岩に隠れたメバルを狙った。午前中狙って15―20センチが約10匹。
イカナゴが接岸し、ボイルがあれば水面での速いテンポの釣りが楽しめる。このゴールデンウイークが本番だ。
(寺島亮嗣)
パールピンクの流麗な姿形から“海の貴婦人”とたたえられるキスのシーズンが始まった。一般にキス釣りは八十八夜過ぎからといわれ、その出はなのころに“ひじたたき”級の大型の魚信が多いので腕まくりして待ち焦がれているファンもいる。その日を待ちきれず早々と出掛けたのが、釣友の江浜嘉治さん(福岡市中央区)だ。 (葉山満)
シケが続いていた佐賀県の唐津湾がようやくないだ4月17日、なじみの遊漁船「美生丸」=内場繁美船長・090(8669)2658=で鹿家漁港(福岡県二丈町)から出た。ないだとはいっても風が弱まったというだけでうねりは残っていた。30メートル前後の水深のピンポイントを潮帆を入れて流すが波に負けて押し流されてしまい、何度も潮帆を入れ直す作業が続いた。

江浜さんの仕掛けは図の通りで餌はイワデコ。
午前中の間遠かった当たりが、正午過ぎて海上が穏やかになってから活発になった。しかし、型が小さい。15―20センチで尺ギスはおろか最低ラインにしていた25センチにも届かない。キスも25センチ以上になると当たりも大きく引きも強く“小さな大物”の名に恥じない。それに江浜さんには25センチ以上のキスは“刺し身で食する”という楽しみもある。
シーズンの早いうちはキスは水深30―40メートルの深いポイントに群れをつくっており、そこを午前中の好時に攻められなかったことが悔やまれた。
結局、江浜さんは15―23センチを45匹、同船の友人が30匹弱ということだった。「キスは八十八夜から」の言葉通りの結果となったが、船からのキス釣りは、5月、6月、7月とそれぞれ大型を狙うポイントは違う。そのポイントを熟知する船長の船に乗るのが肝心で、内場船長はその信にかなうのだといって、江浜さんは通っている。