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プラチナの鎧(4)

060919.jpg 潮の干満がよくないので「休もう」と、5日目はワイキキ表通りのコーヒーショップでのんびりやった。半日はそこに座って行き交う人を眺め続けた。

 昼下がり、だめでもいいかと、前日、日系の釣り人に会ったとき、彼が「たくさんいたけど、1匹も釣れなかった」と語った釣り場がやたら気になった。


 午後2時半、車を走らせ、その釣り場でさおを出した。目印に聞いていた真っ赤なカヌーの前で、フライを投げ続けた。岸から50メートルくらいは砂底で魚はいない。その先が200メートルぐらいの幅で背たけの低い水草の底になっていて、沖から続く溝を通って魚はやってくると予想した。

 キャストし続けた。むろん気力はない。突然、ぐいっとさおが押さえ込まれた。ラインが水を切った。ボーンフィッシュだ。

 ラインが走る。魚も狂ったように走る。もう心臓がはりさけそうだ。まだ、走っている。ラインが水面を平行に走る。まだ魚は走る。ボーンフィッシュがきたのだ。正真正銘の夢の魚だ。
 (寺島亮嗣)