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アユ捕り祭りにぎわう 網にカジカ、オイカワなども 鹿児島出水市・広瀬川

2010年6月15日 カテゴリー:淡水魚

 アユ釣りシーズンが始まった。鹿児島県出水市の広瀬川では解禁を告げる歳時記がアユ捕り祭りである。そこには市民が川に親しむ光景があった。 (香月駿一郎)

 6月6日の日曜日。午前4時の花火の合図でアユ捕りがスタートする。川の区間を有料で市民に開放する。公平を期してその区間割りはくじ引きで決めるシステムだ。私は同市内に住むアユ捕りが好きな詩人の岡田哲也さんのグループに入れてもらった。
 
 花火を合図に川を横断するようにタテ網をいれる作業から始まる。河原ではあちこちでたき火が燃え盛る。水に漬かっての作業のうえに、いくら南国といっても未明は肌寒く、暖を取るためには欠かせない火だ。
 
 水深は深い所で腰くらいまで。ヘッドランプの明かりを頼りに網に掛かったアユを外していく。
 
 「今年は水温が低く、去年よりアユが少ないな」。岡田さんはこう言いながら時折、暖を取って川へ。それでも腰につけた網袋には数匹のアユが収まっていた。
 
 私も網の点検に出てみた。アユのほかに、オイカワ、カジカ、川ガニなどが掛かっている。川ガニは網を破るのでこの日は嫌われ者である。
 
 夜が明けると河原の風景が見えるようになった。人で埋まっていた。市民の祭りというのを納得した。
 
 河原には炭火がおき、その上で捕ったばかりのアユを焼く。家族からのおにぎり、総菜などの差し入れが続々と届き、河原での宴会がにぎわいを増していく。
 
 この広瀬川のアユ捕り祭りは戦後まもなくから恒例行事になったという。川とともにあった人の生活を再確認する年中行事である。もちろん、この日からアユの友釣りなども解禁になり、多くの釣り人がこの川を訪れる。
 

=2010/06/15付 西日本新聞夕刊=


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