カネヒラの雄求めて 福岡県中間市・遠賀川水系 繁殖期に「婚姻色」
日本の淡水魚は色がなく地味ではあるが、繁殖期、雄には色彩豊かな「婚姻色」が出る。小魚のタナゴ類の中で、秋に「婚姻色」が出るのはカネヒラだ。色を求めて福岡県中間市の遠賀川水系の小川に出掛けてみたが…。 (香月駿一郎)
カネヒラはタナゴの中では大型の魚である。タナゴ類で春の産卵が多く、秋の産卵行動は少ない。それだけにタナゴ釣りファンにとっては秋も楽しめるターゲットだ。
いつものように、卵の黄身と小麦粉を混ぜた練り餌を作る。黄身1個に大さじ1杯の小麦粉。まるで料理みたいだが、これが餌である。誰がこの餌を考えたのだろうか、といつも思う。
この川はかつてヤリタナゴを釣ったことがあり、その時にカネヒラの影があったことを確認していた。相手が小魚だけにタナゴ専用のさお、仕掛けを使い、針先にその餌を小さく丸めて付ける。
用水路が流れ込み、少し深場になっているポイントにさおを出した。底すれすれにタナを取る。何回か流すうちに浮きが当たりを告げている。まず、釣れたのはヤリタナゴだった。その後に大きな当たりがあった。お目当てのカネヒラだった。腹部にピンクの「婚姻色」が薄くあるが、どこかおかしい。
撮影用の透明ケースに入れて写真を撮った。魚体は普通のカネヒラより、銀色で黒い小さな斑点がある。突然変異種かな、と思ったが、その一帯で釣れるカネヒラは全部がその姿だった。
川によって色などが多少、変わることがあるものの、ここのカネヒラは見た目は別の魚のようでもある。こういう姿になったのは水質や食物などの影響があるのだろうか。解明には専門的な研究が必要だが、ただ、カネヒラの中では「珍種」であることは確かである。
人だけでなく、魚も環境によって変わることを再認識した釣りだった。
=2010/11/02付 西日本新聞夕刊=


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