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専用道具でタナゴ10匹 少数派のシーズンスタート 北九州市・遠賀川水系

2011年3月29日 カテゴリー:淡水魚 / 釣りニュース

 浅き春。まだ、朝晩は寒い。が、ユーミン(松任谷由実)の歌「春よ、来い」のように、釣り人も暖かい釣りシーズンの到来を心待ちしている。小川の雑魚たちはどうしているか。北九州市八幡西区の遠賀川水系の用水路に、タナゴなどの小物釣りに出掛けた。

 春は田んぼのあぜ道に足の踏み場もないように生まれていた。ツクシである。鎌で刈るくらいに並んでいる。だれも採る人がいないのだろう。

 釣りよりツクシを摘んだ方がいいかな。ツクシの卵とじの方に一瞬、頭がとんだが、きょうは釣りである。

 例年より水量が少ない。用水路をのぞきながら少し深場のポイントを探す。やや濁り気味のゆるやかな流れを見つけ、タナゴの専用ざおを出した。長さは1・2メートル。これでも十分だ。タナゴの専用糸、専用針。すべて極小のタナゴ専用の道具である。タナゴは異国にも生息しているが、専用の道具があるのは日本だけだろう。ミクロに近いタナゴ釣りは世界に誇る日本の釣り文化だ。

 針の先には小麦粉と卵の黄身の練り餌である。いつものように子どもたちが集まり、「なん、釣っちようと」と聞く。小物釣り師は「タナゴ」とだけ簡潔に答える。「タナゴ?」。疑問符を置いたまま、興味なさそうに去っていく。

 水温が低いため食いが悪い。それでも、時折、マッチ棒のようなタナゴ専用浮きが揺れる。釣れたのは数センチのヤリタナゴだった。ヤリタナゴは子どものように、いつも寒さに負けず元気だ。かすかに、しりびれに赤みを帯びた雄もいて、産卵のために化粧(婚姻色)を始めている。

 1時間で10匹の釣果。全部、ヤリタナゴで、タナゴの中では大きくなるカネヒラは釣れなかった。暖かくなれば、ニゴイ、ブラックバス、フナなども釣れる。水槽用に2匹だけ確保して放流。少数派のタナゴ釣りのシーズンもスタートした。


=2011/03/29付 西日本新聞夕刊=


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