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暗闇に鈴が鳴る... 伝統的な釣法でウナギ 糸島・加布里湾

2014年7月 2日 カテゴリー:海水魚(その他) / 福岡 / 釣りニュース

 ニホンウナギが絶滅危惧種に指定された。ウナギは日本の食文化、釣り文化に深く関わっている。その実態はどうなのか。福岡県糸島市の加布里湾につながる用水路に出掛けた。 

 この用水路は上げ潮になれば潮が入る喫水域である。雨後の濁りがない限り夜釣りだ。それも満潮時に合わせた日没後2時間くらいが時合だ。
 
 先客がいた。83歳。「毎夜、糸島周辺でウナギを釣っています。年間300匹くらいかな」
 
 こちらはエサとしてミミズのほかに冷凍したアユの切り身、生きたテナガエビを用意した。仕掛けはさおを使わない伝統的な手釣りの手法にした。この仕掛けは一時期、ウナギを釣って生活していた友人の遺品だ。
 
 糸巻き器に巻いた仕掛けを岸近くに落とすだけだ。道糸は中心を少し割った友人手製の竹片に掛ける。竹片には鈴が付いており、当たりを知らせる。これを5本並べた。後は待つだけだ。
 
 鈴が鳴る。ただ、連続ではない。上がったのは30センチのコイだった。
 
 鈴は鳴らないが微妙に竹片が揺れている。スッポンだった。アユの切り身にはスッポンがよく掛かった。先ほどのベテランのように簡単にはウナギは釣れない。
 
 漆黒の闇の中で鈴がまた、鳴った。それも鳴りやまない。この鈴の音がウナギ釣りの一瞬の恍惚(こうこつ)である。小さいウナギが上がってきた。この1匹だけだった。放流した。
 
 ウナギ釣りファンは多い。今後、この釣りに関しても規制論議が出てきそうだ。日本の夏の夜の風物詩、ウナギ釣りを存続させていくためにも小サイズの放流は最低限のルールといえる。
 
=2014/07/01付 西日本新聞夕刊=


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