九州学院 絶対王者 最多9度目V 副将近本、無心の面

【男子決勝・九州学院‐高千穂】清家(高千穂・奥)から決勝の面を奪った近本(九州学院)
【男子決勝・九州学院‐高千穂】清家(高千穂・奥)から決勝の面を奪った近本(九州学院)
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優勝を飾った九州学院・近本太郎(右)と握手する父親で元全日本選手権王者の巧さん
優勝を飾った九州学院・近本太郎(右)と握手する父親で元全日本選手権王者の巧さん
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 攻める姿勢が無心の一撃を生んだ。決勝で延長に突入した相手大将との大一番。九州学院の近本が引き胴を放った。「(技が)甘く(勝負は)まだだと分かった。その瞬間、体が勝手に反応した」。間髪入れず飛び込み面を決め、男子初の4連覇で最多タイとなる9度目の優勝。選手たちに笑みが広がった。

 2003年に全日本選手権を制した巧さんを父に持つ近本は、中堅の黒木裕二郎(3年)とともに全九州大会(8、9日)の団体戦メンバーから外された。同大会前に行われた部内の試合で精彩を欠いたのが原因で、米田敏朗監督から「おまえたちの立ち振る舞いを見る」と厳しい言葉を向けられた。

 「勝ちたいと思うあまり空回りし、自分勝手な部分もあった」。昨年の熊本地震後に食料や練習場所を提供してもらい、実感した気配りの大切さ。思い出したのは、外から応援していた同大会で優勝した仲間のおかげだ。「それぞれが自分の任された役割を全うしていた。周りのことを考えないと」。地稽古でやみくもに打たず、相手の狙いも読んで攻める余裕も出て復調。今大会初登場だった7回戦では「ここで岩切に負担をかけたくない」と相手の副将と大将を連破し、チームの勢いを加速させた。

 黒木も仲間から「先生はおまえのためを思ってくれている」と励まされて奮起し、準々決勝と準決勝で2人抜き。終わってみれば、大会を通じて一度も大将に回さない「座り大将」を男子では1991年の高千穂以来、26年ぶりに達成した。「こんなにうまくいくとは」。近本と黒木を要所に配置した米田監督は目を丸くした。

 閉会式後の記念撮影。カメラマンから4連覇の「4」を右手で示すよう求められたが、米田監督は「失礼にあたりますから」と断った。4年連続高校3冠に王手をかけてもなお謙虚さを失わない。8月の全国総体に向けて近本は「ここで負けたら意味はない。全てを出し切る」と切り替えた。心技体ともに充実した絶対王者に付け入る隙は見当たらない。

=2017/07/30付 西日本新聞朝刊=

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