西日本新聞



玉竜旗 平成23年ニュース

震災に勝つ勇気感じた 熱戦続けた東北勢に大きな拍手

2011年07月30日 00:38
選手たちのひたむきな姿に会場からは惜しみない拍手と声援が送られた=29日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡
選手たちのひたむきな姿に会場からは惜しみない拍手と声援が送られた=29日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡
 玉竜旗高校剣道大会は29日閉幕した。東日本大震災のために被災地からの参加が危ぶまれた今大会。「故郷に元気を」と被災地のチームが健闘すると、他の地域の選手も奮い立った。ひたむきな姿にスタンドからは何度も拍手が起こり「若い力に勇気づけられた」「勝ち負けを超えた一体感を感じた」との声が相次いだ。

 「いつもは福岡びいきだけど、東北のチームも応援したよ」。23年間、毎年観戦している福岡県糸島市の原田保さん(67)は振り返った。岩手、宮城、福島の東北3県から出場した男女14チーム。上位進出はならなかったが、技を決めるたびに声援と拍手が起こり「例年と違う雰囲気を感じた」という。

 「ほとんど練習できなかったはずなのに…」。佐賀北高3年の池田亮選手(17)は東北勢の戦いに刺激を受けた。「困難の中で力を尽くす姿を見習いたい」。かつて玉竜旗に出場し、大会運営のアルバイトに携わった福岡市の神屋佐和子さん(27)も「目標を前にすると頑張れた高校時代を思い出しました」と話す。

 声援を受けた選手たちも何かを感じたようだ。

 「九州でこれほど応援してもらえるなんて」。そう語ったのは、福島県の湯本高3年渡辺涼太主将(18)。震災後、福島第1原発事故で部員が避難。一時は大会不参加も考えた。「会う人、会う人励ましてくれた。試合中も見守られている気がした。大会で得たものは大きい」

 準優勝に輝いた水戸葵陵(茨城)は、仙台市に練習試合に行って被災。茨城の学校も被害に遭い、練習再開まで1カ月近くかかった。君島範親(のりちか)監督(46)は「温かい声援が励みになったはずです」と感謝の言葉を口にした。

 故郷の英国で剣道を学び、大会を見に来たトーマス・ウィドウズさん(23)は「選手が見せた粘り強さや礼儀正しさは剣道の精神そのもの。困難に負けず着実に復興を目指す日本人の姿を見た気がします」と語った。

=2011/07/30付 西日本新聞朝刊=

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