選手たち「敬愛」トレーナーの中村さん 治し励まし10年

優勝が決まり駆け寄った選手の肩を抱いて喜ぶ中村雅隆さん=23日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡
優勝が決まり駆け寄った選手の肩を抱いて喜ぶ中村雅隆さん=23日、福岡市博多区のマリンメッセ福岡
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 金鷲旗を手にした選手たちが真っ先に駆け寄ったのは、専属トレーナーの中村雅隆さん(31)だった。金鷲旗高校柔道大会の女子で23日、史上4校目の2連覇を達成した敬愛(北九州市門司区)。けがのケアやリハビリ、悩み事の相談…。中村さんはこの10年間、チームを陰で支えてきた。「よくやった。ありがとう」。中村さんは選手一人一人に声を掛けながら喜びをかみしめた。

 理学療法士の中村さんと敬愛の出合いは2004年。当時主将だった土山貴美佳選手が、金鷲旗の試合中に脱臼した左肘関節の治療のため、中村さんが勤めていた同市内の整形外科医院を訪れた。それを機に通院する敬愛部員が5人、6人と増えていった。気になったのは、けがが癒えないうちに試合に出て悪化させる悪循環。吉元幸洋監督に部員のけがの状況や練習内容について最初は電話で、次第に学校に赴いて伝えるようになった。

 自らも中高時代に青畳を踏んだ中村さんは監督の信頼を得て昨年、敬愛柔道部と専属契約を結んだ。同僚の石田侑(ゆう)さん(23)と小峠剣太郎さん(38)も加わって週2回、同校に通い、けがの治療だけでなく、筋トレやウオーミングアップの指導も行った。なかなか試合に出られない部員から「このまま柔道を続けていいのかなあ…」と打ち明けられた際は「君たちがいるからトップの選手も頑張れる」と背中を押し続けてきた。

 この日の決勝。体重57キロの次鋒芳田司選手(17)は100キロある相手副将に果敢に挑み、優勢勝ちで勝利に貢献。「中村先生がいなかったら、この優勝はなかった」。声を弾ませた芳田選手の左肘と右足には、中村さんが巻いた白のテーピングが光っていた。

=2013/07/24付 西日本新聞朝刊=

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