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第89回全国高校野球選手権 岩国(山口・3年ぶり4度目)関連記事

2007年 8月 14日 掲載

見せた岩国 全員野球 敗退にも拍手惜しみなく 9回、意地の一矢

070814_yama.jpg 「よくやった」「ありがとう」-3年ぶり4回目の出場となった夏の甲子園大会で、県代表の岩国は12日、初戦の聖光学院(福島)に7-11で敗れた。2点を先制したが、得意の守備も乱れて5回以外は毎回得点を許す苦しい展開。だが、9回表の猛攻で4点を返し、一矢報いた。最後まであきらめず、モットーの全員野球を見せたナインに、満員のスタンドからは大きな声援が送られた。一夜明けた13日、選手らは岩国市川西の同校に帰り、出迎えた関係者らが健闘をねぎらった。

 ◆先制点に大歓声
 今大会最高となる気温34度を記録した第2試合。三塁側アルプススタンドには選手の家族や生徒らが駆け付け、5000人収容のスタンドは満員。学校近くを流れる錦川にちなんだ応援カラーのブルー一色に。

 1回表、先頭打者の桝本智志選手が左前打を放つと、父正弘さん(47)は「これでチームに勢いが付けば」。その後、相手投手の3四球などで押し出しで1点を先制。

 なおも二死満塁に、7番の高木康平投手が右前適時打で1点を追加。父一成さん(45)は「よくやった。ピッチングでもしっかり」と励ました。

 ◆祈る思いの中盤
 好調な滑り出しを見せたナインだったが、エラーや悪送球など守備のミスが続き、2回裏には逆転され、ゲームは聖光学院ペースに。3回、4回にも2点ずつを許し、5点差をつけられた。

 安打は出るがつながらない。学校近くの「錦帯橋」にちなみ、得点したときにだけ歌う応援歌「五橋の桜」もぴったりとやんでしまった。

 8回までにさらに4点を許し、3-11に。大応援団からも「もう無理だ」の声が漏れる。「何とか一矢報いてほしい」。祈るような思いで、最後の攻撃を迎えた。

 ◆「ありがとう」も
 9回、岩国ナインは意地を見せた。一死1、2塁のチャンスに、松井将大捕手のヒットでまず1点。父昇万さん(42)は「このまま粘って、次につないで逆転してくれ」と力を込めた。

 一死後、代打の重政洸太選手が中越えの三塁打を放ち、2人が生還。父賢一さん(55)も「ようし」と声を弾ませた。

 さらに代打の平本瑛一選手のヒットで1点を追加。2年前、交通事故に遭って生死をさまよい、苦しんだ時期もあった平本選手。父宏史さん(51)は「まさか試合に出られるなんて思わなかった。一生の思い出になっただろう」と目を潤ませた。

 だが、猛攻もここまで。最終回に4点を返す粘り強い「全員野球」に、スタンドからは温かい拍手が送られた。岩国高校野球後援会の秋本隆会長(80)は「最後に岩国野球を見せてくれた。甲子園に連れてきてくれてありがとう」と選手たちをねぎらった。

 ●選手のひとこと
 ▼高木康平投手 ストライクを取ろうと思いすぎて硬くなり、自分の投球ができなかった。勝ちたかった。
 ▼松井将大捕手 ランナーを気にしすぎてみんな動きが硬かった。最終回はつなげたいという思いでバットを振った。
 ▼伊藤創選手 悔しい。でも、本当にいい仲間とプレーできた。岩国に入ってよかった。
 ▼立場川大征二塁手・主将 ここという場面で一打が出ず、ベンチの雰囲気もいつもと違った。最後は全員で戦えた。
 ▼内田大晶三塁手 県大会の球場とは全く違って圧倒された。ここまで来られたのもみんなのおかげ。ありがとう。
 ▼植田健介遊撃手 こんなにミスをしたのは公式戦で初めて。グラウンドを意識しすぎた。みんなに申し訳ない。
 ▼桝本智志左翼手 チャンスを生かせない場面があったが、気持ちのこもったプレーを見せられたのは良かった。
 ▼岩田一馬中堅手 守備でもう少し機敏に動けば、防げた失点があった。投手を助けられず申し訳ない。
 ▼今浦卓朗右翼手 あこがれていた甲子園の舞台で勝ちたかった。まだみんなと野球を続けたかった。
 ▼小泉大海選手 最終回の粘りは岩国らしい、最後まであきらめない野球そのもの。甲子園は仲間を大きくした。
 ▼中川隆太選手 エラーが痛かった。選手の動きが硬く大量点を許してしまった。成長して次の夏、甲子園に来ます。
 ▼重政洸太選手 勝ちたかった。来年はこの悔しさをばねに、さらに練習を積んで、甲子園で勝利を挙げたい。
 ▼植田悠太選手 負けはしたが、自分らのペースで野球ができた。最後まで粘れた。
 ▼杉岡匠選手 自分なりに力を出し切って、精いっぱいプレーができた。
 ▼貴船成司一塁手 初回のエラーが悔やまれる。アウトがとれなくて、流れが向こうに移ってしまった。
 ▼中林大之選手 3年生全員が1つになって頑張れたと思う。力いっぱい戦えた。
 ▼平本瑛一選手 7回に監督に「いくぞ」と言われ、代打で出た。練習はつらかったが、みんなとやれて楽しかった。
 ▼丸茂祐太選手 先制点を取り、そのままの勢いでいきたかったが、甲子園は甘くなかった。

【写真】1回表の先制点に盛り上がる3塁側アルプススタンド



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