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第89回全国高校野球選手権 佐賀北(佐賀・7年ぶり2度目)関連記事

2007年 9月 03日 掲載

【連載】がばい伝説・佐賀北の夏<下>きずな 交換日誌が橋渡しに

 大会中、監督の百崎敏克の采配(さいはい)は面白いように当たった。決勝の広陵戦の八回、代打で右前打を放ち逆転満塁弾を呼んだ新川勝政(2年)、準決勝の長崎日大戦の七回に代走で出場し浅い左飛をものともせずダメ押しの3点目を足で奪った内川聖弥(3年)。思い切った策の数々は選手と築いた信頼関係に裏打ちされたものだ。選手との距離を縮めるのに役立ったのが交換日誌だった。

 神埼の監督時代、「選手が自分を見つめられるように」と始めた。内容に目を通して返事を書くと、思わぬ心のキャッチボールができた。「部員の性格が手に取るように分かるようになった」(百崎)という。

 内川の日誌は、いつも3行程度しか書かれていなかった。それが甲子園では最大2ページにも膨らんでいた。「意識が変わってきている。これなら、試合で使える」(同)と積極的に起用した。

 百崎自身も「成長」を感じさせる場面があった。2回戦の宇治山田商戦では2点リードの五回に先発左腕・馬場将史(3年)を引っ張り過ぎ逆転を許した。以降は早めの継投に切り替えた。代え時とみるや久保を投入、連続無失点は34回1/3も続き、中盤から終盤にかけて勝負を懸ける必勝パターンを確立。「もう少し投げたい」と思いマウンドを降りる馬場は、連戦を戦う体力と高いモチベーションを保ち続けた。

 甲子園で結果を出すごとに自信を深め、相乗効果を生んだ監督、選手たち。百崎は試合後、ナインを見つめ「もう自分の手を離れた」と目を潤ませた。百崎を慕って入部した選手とのきずなが「栄光」へと昇華した瞬間だった。 (敬称略)
(運動部・山根崇が担当しました)



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