【連載】頂点へ再挑戦 佐賀商2年ぶり甲子園<上>改革 猛打のチームカラー転換

080727_saga.jpg 8月2日開幕の第90回全国高校野球選手権大会に、県代表として佐賀商が出場する。2年ぶり15回目の夏の甲子園。県内最多出場回数を誇り、全国制覇の経験もある伝統校は、昨年、全国を制した佐賀北に続いて頂点へ再挑戦する。この夏に燃える佐賀商野球の力と技を紹介する。

 ■ミート心掛ける

 「猛打には安定感がない」

 昨秋の九州大会初戦。神村学園(鹿児島)の好投手を打ち崩せずに敗退して、森田剛史部長(当時)は痛感した。「県大会は猛打で制したが、これでは通用しない」

 今年4月、監督に就任すると打線の大改造に踏み切った。

 取り入れたのが「バスター打法」。長打狙いで大きくなりがちなバットの軌道を小さくするため、バントの姿勢から打つことを徹底した。「ミートを心掛けるようになった」と選手たちは口をそろえる。昨年夏の大会で本塁打を放ったものの、打率は2割だった津田真輔選手は「大振りしなくなった」。今年は本塁打こそないが、3割を越える打率をマークした。チームとしても、今大会本塁打は0。しかし、1試合平均10安打を放つ「マシンガン打線」へ変ぼうした。

 ■4番にスクイズ

 県大会決勝の鳥栖戦。3点差から1点詰め寄られた後の8回表、簡単に二死となった後の場面で、野中信太郎選手は2ストライクと追い込まれた後、6球粘って四球を選んだ。一塁に向かう野中選手に森田監督は「よし」と目で合図した。
 「あの回3人で終わっていたら、相手に流れがいった」。試合の流れを相手にやらなかった四球は、森田監督のいう「待つ攻め」だった。

 さらに、森田監督は1年秋から4番を打つ津田選手にもスクイズのサインを出すようになった。「今までは考えられないサイン」と津田選手。しかし、森田監督は「1点ずつ確実にとり、その後、流れを相手にやらないのがうちの野球」。大味といわれた佐賀商野球が確実に変わった。

 ■秘密兵器で特訓

 県大会準決勝前日の朝、佐賀商の横にある野球トレーニング場「ベースボール・アスリート」(佐賀市神野東)では、樺島賢吾選手らレギュラー陣が黙々と秘密兵器「ピッチャー再現マシン」に向かっていた。

 マシンから放たれるのは、外角に鋭く曲がるスライダー。翌日対戦する伊万里農林のエース佐藤祐麻投手を想定していた。このマシンは、ジャイロ技研(大分市)が開発。米大リーグ・レッドソックス松坂大輔のスライダーも再現できるという代物で、県内には1台、全国にも7台しかない。「球の出どころ、球筋。忠実に再現できる」と同アスリートの坂下幹夫代表は話す。

 「目が慣れていた。ジャイロ効果だ」。宿敵から適時打を放った樺島選手は白い歯を見せた。6回までに4点を奪い、佐藤投手を攻略し、事実上の決勝戦といわれた準決勝を制した。

 猛打から脱却して確実性と多彩な攻めを身に付けてきた。

【写真】「バスター打法」で練習に取り組む津田選手

=2008/07/27付 西日本新聞朝刊=

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