全国高校野球選手権 第12日=4強へ選手支える 球児の夢 断念したけれど… 都城商のマネジャー6人 練習メニューづくりに奮闘

 夏の甲子園大会で準々決勝に駒を進めた都城商(宮崎)。絶好調のナインを「グラウンドマネジャー(GM)」と呼ばれる3年生野球部員6人が支えている。「選手として甲子園でプレーする」という球児の悲願は断念したが、チームのためにグラウンド整備や練習メニューづくりに奮闘。「選んだ道は間違っていなかった」。8強入りの選手たちと心を一つに、さらに上を目指している。

 「バッティングいくぞー」。3回戦の智弁和歌山(和歌山)戦を翌日に控えた19日。兵庫県西宮市の練習グラウンドで、GMの小野太嗣(ひろし)さん(18)が大声で、選手に指示を出した。
 
 小野さんは、中学時代に地区大会でノーヒットノーランを2度達成する実績を挙げて都城商野球部に入部した。しかし県内随一の選手層を誇るチームでのベンチ入りは、簡単ではない。新チームとなった昨秋、当時の原田賢司監督(38)から「GMとしてチームに尽くしてくれ」と頼まれた。
 
 甲子園の土を踏むことを信じ、ずっと白球を追ってきた。小野さんと一緒に声を掛けられた前田和哉さん(18)は「ぼうぜんとした。1週間は野球も勉強も手に付かなかった」。それでも、気持ちを切り替えた。「実力勝負の世界で仕方ない。選手を支えて甲子園に行く」。最終的に6人がGMになった。
 
 監督が今春、異動で交代すると、河野真一現監督(37)は「選手の特徴がよく分からない」とGMに頼った。その後、練習メニューも監督やGMが一緒に練る形にするとチーム力が向上。28年ぶりの甲子園出場につながった。
 
 20日の智弁和歌山戦。GM6人のうち3人がグラウンドのボールボーイなどを担い、3人がスタンドから声をからした。チームは快勝。GMの田中友也さん(17)は「気分は最高。都城商で野球をやって本当に良かった」と顔をくしゃくしゃにした。 (中村太郎)
 
【写真】 智弁和歌山戦で、スタンドからナインに声援を送る都城商のGMたち(最前列の3人)=20日午後、兵庫県西宮市の甲子園球場 

=2009/08/21付 西日本新聞朝刊=

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