「都商野球」終幕 拍手温かく 中盤気迫の猛追

koushien090823_02.jpg 「宮崎の誇りだ」-。夏の甲子園大会で、準々決勝に進出した宮崎県代表の都城商は22日、2-6で中京大中京(愛知)に敗れ、初の4強進出はならなかった。中盤には3連続安打で猛追するなどして甲子園の大観衆を沸かせる気迫を見せたが、後半は相手好投手に抑えられた。しかし大舞台で次々に強豪を撃破し、ベスト8入りを果たす快挙を成し遂げたナインには、満員のアルプススタンドの応援団から惜しみない拍手が送られた。

▼初回に先制許す

 2、3回戦を完投し、この日も先発のマウンドに上がった新西貴利投手が初回、相手強力打線につかまった。

 1、2番打者は抑えたが、中軸の3、4番打者に連続安打を浴び一、二塁のピンチに。スタンドからは「落ち着け」と祈るような声。相手5番打者が初球をたたくと、打球は左中間スタンドに吸い込まれた。応援団の多くは「まさか」と信じられない様子。それでも、すぐに「気持ちを切り替えるぞ」と気勢を上げた。

 3回にも1点を奪われ、0ー4と苦しい展開。野球部2年の荒武健太さんは「劣勢をはね返す力が都商にはある。これから底力を見せつけます」と、逆転を信じて応援の声をさらに強めた。

▼熱気は最高潮に

 4回表、ついに反撃が始まった。

 5番松原大輔三塁手と6番冨永圭太主将の連続安打で、1死一、二塁の絶好のチャンス。「一気にいくぞ」。スタンドから大声援が送られる中、7番米良孝秋捕手が相手エースの6球目をはじき返し、左翼線を破る適時二塁打。一気に2人が生還すると、「やったー」とスタンドの熱気は最高潮に達した。

 米良捕手の母恵子さん(52)は「ファウルで粘っていたので、結果が出る予感がしていた。最高です」と興奮し、大きく手をたたいた。

▼「あきらめない」

 4回裏からは、連投の疲れが見える新西投手に代わり、チーム2枚看板のもう1人、藤本雄也中堅手がマウンドに立った。中盤の3回を無失点で切り抜ける好投に、スタンドからは「ナイスリリーフ」との声。

 しかし7回裏、連続適時打を浴びて点差を再び4点に広げられた。「都商は粘り強いチーム。絶対にあきらめません」と3年の椎屋静さん。応援団はナインに力を送り続けた。

 5回以降はヒットが出ず、迎えた最終回の攻撃。最後の打者も打ち取られ、スタンドは一瞬、静まり返った。しかし次の瞬間には大きな拍手が巻き起こった。

 「よく頑張った」「夢をありがとう」。涙をぬぐいながらスタンドに一礼するナインに、温かな言葉が贈られた。

■地元都城市民 「よくやった」 大型スクリーンで観戦

 「よくやった」「ありがとう」-。宮崎県勢44年ぶりのベスト4入りを目指して22日、中京大中京と対戦、全力を尽くし敗退した都城商ナインに、地元・都城市でも惜しみない声援が飛んだ。

 同市蔵原町のウェルネス交流プラザでは、大型スクリーンが準備され、市民約60人が、試合の行方を見守った。試合は1回に先制された都城商が、終始追いかける展開に。都城商がアウトを取るたび拍手が、取られるたびにため息が交錯した。

 都城商の帽子とTシャツを着て、応援の音頭を取った同プラザ職員の福島紀康さん(69)は試合終了後「残念です。決勝には行こうと思っていたのに…」と肩を落とした。同高卒業生の販売店員稲丸友美さん(25)は「すごかった。胸を張って帰ってきて下さい」と後輩たちをねぎらっていた。

【写真】9回表、最後まであきらめず声援を送り続ける都城商の応援団

=2009/08/23付 西日本新聞朝刊=

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