西日本新聞

九国大付 善戦及ばず 緊迫の投手戦 延長で涙

2011年08月12日 01:49
悔しそうな表情で、スタンドの応援団へのあいさつに向かう九州国際大付の選手たち
悔しそうな表情で、スタンドの応援団へのあいさつに向かう九州国際大付の選手たち
 春の選抜準優勝校が、まさかの初戦敗退-。第93回全国高校野球選手権大会第6日の11日、県代表の九州国際大付は関西(岡山)と延長十二回を戦い、2-3でサヨナラ負けを喫した。両校のエースが力投する緊迫した投手戦。手に汗握る熱戦に三塁側スタンドの応援団から「よくやった」と惜しみない拍手が送られた。

■押し出しで先制

 エース三好匠投手が初回から好投を見せた。得意のスライダーやアウトコースいっぱいの直球が決まり、三回まで無安打に抑えた。

 三好投手を援護しようと、打線は二回表にチャンスをつくった。4番の高城俊人捕手が右方向への二塁打で出塁した後、四球と送りバントで1死二、三塁。7番の加藤凌左翼手の外野フライで高城捕手が三塁からタッチアップしたが、相手中堅手の好返球に阻まれ、本塁寸前でタッチアウト。高城捕手はこのクロスプレーで、左手にけがをしてしまった。

 四回表、相手投手の制球の乱れや三好投手の左前打などで1死満塁。ここで花田駿一塁手が変化球を見極めて押し出し。待望の先制点を奪った。花田一塁手の母春美さん(43)は「とにかく点を入れなければならない状況で、よく我慢した。よくやったと褒めたい」と目を細めた。

■九回表に同点打

 関西もすぐに反撃。四回裏、4番打者が左翼席に飛び込む同点本塁打を放った。九州国際大付野球部の応援団長、笹岡勇希君(3年)は「まだまだこれから。俺たちがついている」。

 しかし八回裏、関西の2番打者の左前安打をきっかけに1死二塁のピンチ。本塁打を打った4番に、今度は右前へ勝ち越し適時打を許した。

 もう後がない九回表。九州国際大付は意地を見せた。先頭の三好投手が鋭い打球で相手三塁手を強襲、ヘッドスライディングで一気に二塁を奪った。1死後、5番の龍幸之介右翼手が初球をフルスイング、起死回生の適時二塁打で同点に追い付いた。

 その裏、三好投手は気迫のピッチングで相手を抑え、延長戦へ。三好投手の母伊代子さん(52)は「しっかりと抑えてくれた。またマウンドで息子の勇姿を見ることができて本当に良かった」と満面の笑みを浮かべた。

■痛恨のサヨナラ

 延長十、十一回は両校とも無得点。十二回裏、九州国際大付は166球を投げた三好投手から、大江遥投手に継投。三好投手は球が高めに浮きだし、限界に達していた。

 福岡大会は無失点だった大江投手だが、甲子園の雰囲気にのまれたのか制球が乱れ、先頭打者に四球。1死一、三塁の絶体絶命のピンチで、ここまで2打点の4番を迎えた。打球は大きく弾んだ内野ゴロ。捕球した平原優太二塁手が素早く本塁に送球したが、球審の両手が横に広がった。

 無念のサヨナラ負け。全国優勝の目標には届かなかった。三塁側の九州国際大付の応援席はしばらく声を失っていたが、伊東正和校長が選手の健闘をねぎらった。

 「みんな、よく頑張った。素晴らしい戦いをありがとう」

=2011/08/12付 西日本新聞朝刊=
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