西日本新聞

神村学園「よく戦った」

2011年08月10日 12:49
3回裏、2点を先制して盛り上がる神村学園の生徒たち
3回裏、2点を先制して盛り上がる神村学園の生徒たち
 無念の初戦敗退、でもよくやった-。第93回全国高校野球選手権大会4日目の9日、鹿児島県代表の神村学園は能代商(秋田)に3-5で惜敗した。序盤に先制したが、中盤に集中打で逆転された。これで南九州勢は、聖光学院(福島)に敗れた日南学園(宮崎)に続いて東北勢相手に早くも姿を消した。それでも炎天下、懸命にプレーした選手たちに、スタンドからは「いい試合だったぞ」「前を向け」と惜しみない拍手が送られた。

 一回表、能代商の攻撃。先頭打者に右前打されても久保大星投手は動じず、後続を三振で仕留めた。二、三回も3人で攻撃を終わらせ、父親の寛紀さん(43)は「初めての甲子園のマウンドで、緊張もあるだろうが頑張っている。いい投球だ」と目を細めた。

 攻めては三回裏、待望の先制点を奪った。1番白沢隼人右翼手が死球で出塁。2番児玉洸遊撃手の打球がエラーを誘って無死二、三塁とした後、3番坂口湧希中堅手が中犠飛で1点を先制。4番本田昂熙三塁手も左前適時打し、2点目をもぎ取った。

 坂口中堅手の母親の真由美さん(49)は「つなぐ野球ができている。チームが勢いづく」と手をたたいて喜んだ。

 だが、昨年夏の甲子園で鹿児島実に0-15で大敗した能代商も、さすがに2年連続で鹿児島県勢に負けてたまるものかとばかりにしぶとかった。

 四回表、四球と二塁打で1死二、三塁のピンチとなり、久保投手が暴投。1点を返された。

 後続を断ち切り、神村学園は五回裏、5番岩元聖弥二塁手の中前打で3点目を追加、再び2点差としたが、雲行きは少しずつ怪しくなってきた。

 甲子園の魔物は六回表に現れた。1死から3連打を浴び、まず1点を返された。さらに内野の送球ミスの間に同点。右前打で逆転され、右犠飛と続き、この回だけで4失点を喫した。

 逆に2点差を追う展開となり、スタンドは悲鳴。「あきらめるな。まだいける」。神村学園野球部の寮長で3年生の大曲祐希さん(17)が声をからした。

 神村学園ナインは追い上げを信じて、懸命に白球を追い続けた。

 六回裏、先頭打者の久保投手が遊ゴロを力走して内野安打に。盗塁も決めて得点圏に進んだが、あと一本が出なかった。

 守っては八回表、相手4番に三塁打を打たれて1死三塁の窮地に立たされたが、久保投手は気迫の投球で後続を三邪飛、二飛で凡退させた。九回表に継投した柿沢貴裕投手も1死一、二塁のピンチを三振と二ゴロで切り抜けた。

 そして九回裏の攻撃。神村学園のナインは応援団の大声援を背に、食らい付くようにバットを振ったが、三者凡退で試合終了となった。

 短い夏が終わった。泣きじゃくる応援団。神村勲学園長(80)は、全力プレーを披露した選手たちを「よく戦った。本当に良い試合を見せてくれた」とたたえた。

=2011/08/10付 西日本新聞朝刊=
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