西日本新聞

「白球諦めず、最後まで」 専大玉名猛打に散る スタンドからは熱い声援

2011年08月12日 00:33
試合終了後、応援団にあいさつに向かう専大玉名の選手たち
試合終了後、応援団にあいさつに向かう専大玉名の選手たち
 初出場、甲子園の壁は厚かった-。第93回全国高校野球選手権大会6日目の11日、県代表の専大玉名は初戦の2回戦で光星学院(青森)に1-16で敗れた。強打を誇る今春の選抜出場校に大量失点を許す苦しい展開が続いたが、三塁側スタンドは、最後まで温かい声援を送り続けた。

■互角

 初回、いきなり好機が訪れた。1死から2番柁原稔樹左翼手がしぶとく中前安打。続く3番園道工也遊撃手が併殺崩れで出塁すると、二盗、三盗を続けて決めた。父の淳哉さん(38)は「『思いっきり暴れてこい』と伝えていたが、一回表にも背走で好守を見せたし、まだまだやってくれそう」。4番高橋昂希一塁手が空振り三振でこの回を終えたが、得点への期待が高まった。

 先発の江藤秀樹投手も上々の立ち上がり。サイドスローからテンポ良くストライクを低めに投げ込んで、二回までは無失点に抑えた。

■満塁被弾

 状況が一変したのは三回表。相手先頭打者に四球を与えると、続く打者のバントを主将の田中将平捕手が一塁へ悪送球。セーフティーバントも決められて無死満塁に。右前に先制打を許すと、迎えたのは相手先発の3番川上竜平投手。「長打があるのは分かっていたのに…」。江藤投手が悔やむ甘いスライダーを左翼席に運ばれる満塁アーチを喫し、一挙5点を失った。

 「ここからだ」。「元気を出せ」。スタンドからはナインを鼓舞する声援が飛んだ。野球部員で応援団長の2年生、前田遼汰さん(17)は「1点ずつ、つなげば取り返せる」と声をからした。

■意地

 反撃は五回裏。「直球だけ狙おうと決めて、無心で振った」。先頭の田中主将が左前打を放つと、左翼手が後ろへそらした間に一気に三塁へ。7番平原勝尋二塁手の左犠飛で1点をもぎ取った。田中主将の父孝昭さん(60)は「よくホームまでかえってきてくれた」と目を細めた。

 しかし、相手の猛攻は止まらない。六回表、江藤投手がさらに失点すると、熊本大会と同様に園道遊撃手が救援。同校野球部OBの南勝行さん(49)は「継投はうちの形。園道投手もフル回転してほしい」と期待したが、ほとんど投球練習できずに登板したため、制球が定まらない。四球から連打を浴びるなど、この回計7失点を喫した。

 八回裏には四死球三つで1死満塁とし、相手エースの秋田教良投手を登板させたが、140キロ台後半の直球に苦しみ凡退。九回裏、代打の丸山憲人選手が右中間二塁打を放って意地を見せたが、後続が倒れた。

 大敗だった。だが試合終了後、応援席にあいさつに来た選手たちには「お疲れさま」「よくやった」などと温かい声援が飛んだ。同校の久和基利校長(64)は「最後まで諦めず、挑戦する姿勢を見せてくれた」と健闘をたたえた。

=2011/08/12付 西日本新聞朝刊=
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