西日本新聞

日南学園 V候補に善戦 九回同点も一歩及ばず 「粘り強く戦えた」

2011年08月07日 00:48
9回表に同点に追いつき、アルプススタンドで歓声を上げる日南学園の野球部員たち
9回表に同点に追いつき、アルプススタンドで歓声を上げる日南学園の野球部員たち
 あと一歩-。第93回全国高校野球選手権大会初日(6日)の第3試合で、宮崎県代表の日南学園は聖光学院(福島)と対戦し、延長戦の末、4-5で初戦敗退した。しかし、大会屈指の好投手を擁する優勝候補を相手に、全くひけを取らない互角の戦い。日南学園が掲げる「粘り強い」プレーも随所に光り、夏の甲子園5年連続出場の強豪校を追い詰めた。三塁側アルプススタンドを埋めた応援団からは「よくやった」「良いプレーだった」と温かな拍手が送られた。

◆先制で勢いづく

 聖光学院のマウンドは、プロ注目の本格右腕の歳内宏明投手。三回表、早くもその好投手を攻め立てた。2死一、二塁で、4番草清優真選手がレフトオーバーの適時二塁打を放ち、先制した。笑顔をみせる草清選手。母さとみさん(39)は「打てなくてつらかったとき、口に出さない子だから手紙で思いを伝えた。思いが通じたのか、努力が実を結んでよかった」と笑顔。

 「投手5人とも調子が良いので、序盤から思い切り投げたい」と意気込みを語っていたエース古市賢助投手は序盤、直球に切れのある変化球を織り交ぜ、聖光学院の強打者を次々と打ち取っていった。母徳子さん(43)は「危なっかしいけど、よくやっている。ただ歳内投手も好投手。なかなか点が取れないだろうから気が抜けない」と心配そう。

◆激しい攻防戦に

 五回表。2死満塁と好機が訪れた。歳内投手のワイルドピッチを誘い、後ろに球がころがる間に貴重な追加点を挙げた。

 このまま逃げ切れるかと思ったが、古市投手も相手打線につかまり始める。五回裏、1点を返され、六回には連続で四球を出した。金川豪一郎監督は「バランスが崩れて球のキレがない、もう限界だ」と判断。県大会では16回無失点の好投を見せた村田陽春投手が継投し、その回はピンチを切り抜けた。だが七回1死一、二塁から連続適時打で、一挙に3点を奪われ、逆転を許した。同校OBで桃山学院大野球部の生田大樹さん(18)は「村田、落ち着け。まだ流れはこっちにある」などとスタンドから大きな声で叫んだ。

◆粘るも生かせず

 息をのみながら打席に立つ武元久徳選手。九回表2死一、三塁から振り逃げで同点。粘り強いプレーで追いつき、延長戦に突入した。スタンドは総立ち。「よっしゃ!」「勝てるぞー」と大歓声が上がった。しかし、4-4の同点で迎えた十回裏。1死二塁からライトへの適時打を打たれ、サヨナラ負け。歳内投手から10安打を放ったものの、16三振を奪われ、激戦は幕を下ろした。

 谷口周平主将は「得点機を生かせなかった。粘り強い自分たちのプレーができたのは良かったが、勝ちたいという気持ちが一歩及ばなかったかも」と目を潤ませた。

=2011/08/07付 西日本新聞朝刊=
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