城北、粘りの野球貫く 応援団「最高だったぞ」

5回の反撃で盛り上がるアルプス席の城北応援団
5回の反撃で盛り上がるアルプス席の城北応援団
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 第96回全国高校野球選手権大会で、県代表の城北は20日、三重と対戦し、5-7で敗れた。雨中の戦いとなった初戦を勝ち上がり、19年ぶりに甲子園で校歌を響かせた城北ナイン。この日も最後まであきらめない粘りの野球を貫き、総勢4千人の応援団が惜しみない拍手を送った。

 16日の初戦とは打って変わり、青空が広がった甲子園。アルプス席では試合前から応援歌が飛び出すほど盛り上がった。先発した安武佑希投手(3年)の母泰子さん(40)は「きょうは思いっきり投げられるはず」。初回を無失点に抑え「調子が良い」と笑顔で拍手を送る。

 二回、三重大会5試合で50得点の相手打線が爆発した。4長短打を浴び5失点。三回にも1点を許し、序盤で0-6。アルプス席は静まりかえったが、野球部3年の津江楓馬さん(17)は「これまで劣勢でも逆転してきた。絶対に流れがくる」と期待を込めた。

 反撃は五回。無死満塁の好機で1番安達勇輝中堅手(3年)の適時打で1点を返すと相手失策などで3点を加えた。2点差に迫り、歓喜で揺れるアルプス席。安達勇中堅手の父俊郎さん(47)は「ナイスバッティング。さあこれからだ」とメガホンを持つ手に力が入る。

 八回2死二塁の好機で6番菓(くるみ)凛太郎右翼手(3年)が適時打を放ち、ついに1点差。逆転の予感が漂い、スタンドの熱気は最高潮に。菓右翼手の母りえさん(49)は「けがで苦しい時期を必死になって乗り越えた。だからこそ、打てた」とうれし涙。その直後に1点を許すと、野球部OBの中村樹さん(20)=福岡県久留米市=は「泥だらけで戦った初戦も終盤の粘りで勝った。きっと逆転できる」と期待を寄せた。

 九回。スタンドの誰もが逆転を信じ、大声援を送る。2人が倒れ、打席には安達勇輝中堅手。「あと一球」まで追い込まれて粘りを発揮し、一挙手一投足に沸く応援団。だが8球目。打球は遊撃へ。一塁へのヘッドスライディングも届かず敗退。九州勢の「夏」が終わった。

 泣き声と悲鳴が入り交じったアルプス席は一瞬、静寂に包まれたが、すぐに拍手が沸き起こった。四回途中から登板し、好投した諸冨将士投手(3年)の父竜生さん(47)は涙を流すナインを見ながら言った。「悔しいな。でも、持ち味の粘りの野球を最後まで見せてくれて最高だったぞ」 (甲子園取材班)

=2014/08/21付 西日本新聞朝刊=

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