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野球断念の父に届けた、土壇場一打 甲子園8強入り、明豊・松谷選手

延長12回2死満塁、相手投手の暴投で生還する明豊の松谷選手
延長12回2死満塁、相手投手の暴投で生還する明豊の松谷選手
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アルプス席で松谷尚斗選手を笑顔で見つめる父晃弘さん
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 延長十二回2死走者なしから、3点差をひっくり返しての逆転サヨナラ劇-。18日の第99回全国高校野球選手権大会で、ベスト8を懸けた明豊(大分)と神村学園(鹿児島)の九州対決は大接戦となり、土壇場で明豊が勝利をつかんだ。ミラクル大逆転への口火となる安打を放ったのは松谷尚斗選手(3年)。聴覚障害で野球ができなかった父と二人三脚で練習を積んできた松谷選手の、父への感謝を込めた一打だった。

 あと1人でゲームセットとなる場面だった。「何が何でもつなぐ」。打球がセンター前に抜け大歓声が起きたアルプス席で、松谷選手の父晃弘さん(46)も笑顔でメガホンをたたいた。

 和歌山県出身の晃弘さんは、生まれつき耳が聞こえなかった。ろう学校(特別支援学校)の小学3年の時、地元の箕島が甲子園で春夏連覇。甲子園に憧れ、硬式野球をしたいと親や教員に願い出たが、「硬式球は危険」と止められた。

 自らの夢は諦めたが、結婚して松谷選手が幼い頃から「野球をしたくなるように」と、高校野球やプロ野球を見に連れて行った。松谷選手が小中学生の時は毎日練習を見に行き、泥だらけのユニホームを洗い、息子を支えた。明豊に進学後も、月2回は和歌山から母真理さん(47)と応援に駆け付けた。

 大分大会優勝後、号泣する晃弘さんを見て「親孝行できてうれしかった」と語った松谷選手。父子の夢舞台である甲子園で大活躍する息子を、晃弘さんは「褒めてあげたい」とたたえた。

=2017/08/19付 西日本新聞朝刊=

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