「ギータ」ほうふつ“マン振り”1年生加入でパワーアップ 九六・福六、大学野球春季リーグ戦13日同時開幕

練習試合で既に本塁打を放つなど1年生ながら春季リーグ戦での活躍が期待される福岡大の井上絢
練習試合で既に本塁打を放つなど1年生ながら春季リーグ戦での活躍が期待される福岡大の井上絢
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捕手練習の一環でスローイングのフォームを確認する福岡大の正成。円写真は八代高時代の正成
捕手練習の一環でスローイングのフォームを確認する福岡大の正成。円写真は八代高時代の正成
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 九州六大学野球と福岡六大学野球の春季リーグ戦(ともに西日本新聞社後援)が13日、福岡市のヤフオクドームで同時開幕する。勝率制で争う九州六大学野球は昨秋覇者の九国大を軸とした優勝争いが予想される中、春連覇を目指す福岡大も有力1年生の加入でパワーアップ。福岡・久留米商高時代から強打に定評があった井上絢登はソフトバンク柳田悠岐外野手をほうふつとさせる“マン振り”が魅力だ。熊本・八代高時代に投手として清宮幸太郎(東京・早実高-日本ハム)を“斬った”正成智は捕手に専念し「扇の要」を狙う。両リーグの優勝チームは全日本大学選手権(開会式は6月10日、試合は翌11日から・神宮ほか)に出場する。 (西口憲一)

■すでに“大学1号”

 憧れのスターに似ていると言われて悪い気はしない。プロ野球界を代表する柳田ならなおさらだ。フルスイングがモットーの井上絢は高校時代に「久留米商のギータ」と呼ばれた。「励みになる。意識して映像も見ている」。将来のプロ入りはもちろん、地元から神宮を狙えるとの理由で選んだ福岡大では入学前の3月の練習試合から出場機会を与えられ、日本文理大戦では右中間へ“大学1号”も放った。「並の1年生ではあそこまで振れない。大きく育ってほしい」。外野手登録ながら、渡辺正和監督は今春のリーグ戦でDHや代打での起用も視野に入れる。

 ノーステップで打っていた高3の春までは通算7本塁打。右足を上げるようになってから飛距離が一気に伸び、最終的には20本塁打に達した。プロを念頭に置いての大学生活。「投手との間をいかに取れるかが勝負。高校と違って大学の投手は変化球のレベルが高い。対応力を上げるため、下半身を中心に柳田選手のタイミングの取り方も参考にしている」。大きなフォロースルーだけでなく背番号も同じ9番だ。

 2番DHでスタメン出場した3日の日経大戦は左投手の変化球にタイミングが合わず、3打数無安打に倒れた。それでも井上絢は「自分の持ち味だし、打撃スタイルは変えない」と言い切る。一本芯が通った武骨な姿勢はチームにも好影響。「上級生たちの刺激になっている」と渡辺監督は頼もしそうに認める。

 名前の「絢登」には、親から授かった「華やかに登り詰めるような男に」との願いが込められている。白球の華でもある豪快なアーチを春季リーグ戦でかけ、まずは九州の大学野球界で「福大のギータ」を定着させる。

◆井上絢登(いのうえ・けんと)2000年2月23日生まれの18歳。福岡県筑紫野市出身。二日市小1年から「二日市ジュニアーズ」で軟式野球を始め、天拝中では硬式の「二日市ボーイズ」でプレー。久留米商高では1年秋からレギュラー。4番右翼で出場した3年夏は福岡大会4強。準決勝で福岡大大濠高に敗れたが、7試合で29打数10安打の11打点、2本塁打。遠投105メートルで50メートル走6秒2。178センチ、80キロ。右投げ左打ち。

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 進んだ道は違っても、正成にとって清宮との真っ向勝負は大切な宝物だ。「野球をやっていく以上、ずっと意識していく存在。清宮君との対戦は忘れない」。真っすぐな視線で言い切った。1番捕手で先発出場した昨春の招待野球。地肩の強さを買われて投手兼任だった正成は途中から登板した。3打席の対戦結果は最速140キロの直球で二つの空振り三振を奪い、最後の打席では遊ゴロに封じる完勝だった。

 「野球も勉強も頑張りたかったから」と進学した福岡大では捕手に専念。ブルペンで初めて球を受けたのがエース左腕の秋山遼太郎(4年・田川)で「球の切れがすごかった」という。3月末の久留米工大との練習試合では初めて1試合を通してマスクをかぶるなど経験を積み、リーグ戦のベンチ入りメンバーにも選ばれた。「将来は社会人、そして…」。いつの日か“世代の顔”との再戦を夢見て精進の毎日だ。

◆正成 智(まさなり・さとる)1999年8月10日生まれの18歳。熊本県八代市出身。太田郷小3年から「太田郷小クラブ」で軟式野球を始め、八代中の軟式野球部では捕手と投手。八代高では1年秋からベンチ入りし、1番捕手で出場した3年夏は熊本大会4強。準決勝で秀岳館高に敗れたが、5試合で17打数5安打の8打点。遠投110メートルで50メートル走6秒6。183センチ、80キロ。右投げ右打ち。

◆福岡大・渡辺正和監督「野手専任にした佐藤力は長打力もあり、打線を引っ張ってほしい。秋山は社会人チーム相手にも好投しており、安定感を増している。宇部鴻城高から入った1年生左腕の百留は気持ちのこもった投球が魅力だ。全国で勝つという目標は変わらないが、まずはリーグ戦を取ることに集中する」

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投手陣リーグトップ 九国大

 昨秋に続く2季連続優勝を狙う九国大は、昨秋MVPの佐藤をはじめ、高椋、山野、左腕の松浦ら実力と経験を備えた投手がそろう。投手層はリーグトップ。打線は昨年の主力が抜けて迫力に欠けるが、勝負強い斎藤、岡本京が得点源として期待される。「投手を中心に守り勝ちたい」と伊藤監督は2年ぶりの全日本大学選手権出場に意欲を見せた。

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若さで勢い乗る 北九大

 3季ぶりの優勝を視野に入れる北九大は若さで開幕から勢いに乗りたい。昨秋首位打者の上原、打撃10傑入りした土田、堀川ら2、3年生が中心。福岡大との順位決定戦に敗れて3位に終わった昨秋の悔しさを糧に飛躍を目指す。「つないで守り勝つ野球をしたい。何とか頑張って3点ぐらい取れたら」と、徳永監督は投手の小刻みな継投でリードを守る狙いだ。

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新エース栗秋が鍵 久留米大

 久留米大は昨秋3勝を挙げた右腕、栗秋がチームをけん引する。田中和、北村耀の左右のエースが抜け、新戦力の台頭が求められる状況。新エースに続く先発には井口の名前が挙がるが「はっきり決まっていない」と栗秋監督は頭を悩ませている。打線は長打力のある柳原や吉海が中心。「総力戦でなんとか上位にくらいついていきたい」と指揮官は話した。

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全員野球で巻き返し 西南大

 昨秋2勝8敗で5位に終わった西南大が巻き返しを誓う。昨秋リーグ3位の打率3割8分9厘をマークした福島、外野手で昨春ベストナインの水本が打線を引っ張る。投手陣は左腕の西方と右腕の広沢の二枚看板が軸。攻守ともに全員野球のスタイルは不変だ。「昨年のリーグ戦を経験している選手も多くレベルが上がってきた」と東監督も手応えを感じている。

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エース右腕の岡健在 九州大

 2季連続最下位に甘んじている九州大も巻き返しに燃えている。昨秋はリーグ戦1勝ながら、九国大と福岡大の2強と引き分ける健闘を見せただけに、上位チームも決して侮れない。昨秋6試合に登板したエース右腕の岡も健在。最終学年の今年もチームの大黒柱として期待される。軸として、昨秋ベストナイン捕手に輝いた築城とのバッテリーで旋風を狙う。

=2018/04/11付 西日本スポーツ=

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