吉岡稔真記念館がオープン

2013年8月29日 カテゴリー:

 あの伝説の走りがよみがえる-。北九州市小倉北区の小倉競輪場(北九州メディアドーム)内に8月23日、同市が生んだ競輪界のスーパースター・吉岡稔真氏(43)の功績をたたえる記念館「TOSHIMASA MUSEUM」がオープンした。2006年末に惜しまれつつ引退した吉岡さんの栄光の足跡が、競輪発祥の地にお目見え。現役時代に使用していた自転車やユニホーム、ビッグレースの優勝トロフィーなどを展示している。全国的にも前例のない“競輪の殿堂”ともいえる同記念館を訪れた。 (手塚貴宣)

 ファン垂ぜんのお宝ずらり
 入場門を入って左手。以前の初心者コーナーが黒塗りのシックな造りに様変わりしていた。入り口中央には大きな文字で「不動心」。吉岡氏の座右の銘だ。「トシマサミュージアム」だと一目で分かる外観に「早く中が見たい」。ワクワクを抑えつつ歩みを速めた。

 まず目に飛び込むのが、ズラリと並ぶトロフィーやメダル。数の多さときらびやかさは息をのむほどだ。競輪の優勝トロフィーやカップだけでなく、自転車競技の世界選手権で獲得した銅メダルもある。中央には吉岡氏が愛用したマシンを展示。競輪担当記者でもそう目にできない逸品の数々に、ため息が漏れた。

 見応え満点の映像集
 目玉の一つが、選手生活17年間の映像集。デビュー戦からビッグレースの優勝シーン、そしてラストランまで、「F1」と呼ばれた走りが凝縮された見応え満点の内容だ。オールドファンは競輪の隆盛時を思い出して胸が熱くなるだろう。一方、20年前はまだ学生だった記者にとっては初めて見る映像も多く、吉岡氏の強さ、すごさにあらためて圧倒された。

 自転車に触ってもOK
 中央に展示された吉岡氏の自転車は、現役時代に実際に乗っていたもので、そのパーツの全てがまさにお宝。それなのに触ってもOKだ。これは吉岡氏の“肝いり”の企画で、ピストレーサーと呼ばれる競輪用自転車がどんなものか知ってもらうには、触れて感じるのが一番との考えから。手のひらを通じて伝わる自転車の素晴らしさは、レースの見方もガラリと変え、競輪への興味もさらに引き出すことだろう。

 名称こそ「トシマサミュージアム」だが、吉岡氏の戦歴を通じて競輪の歴史の一端にも触れられるため、コアなファンからビギナーまで幅広く楽しめる「競輪の殿堂」とも言える施設だ。展示内容は今後、随時入れ替えるとのこと。小倉を訪れた際の楽しみが、また一つ増えることになる。

 ◆開館日
 小倉競輪の本場開催時に開館(場外発売のみの場合は休館)。小倉競輪の入場料は100円。

 ◆吉岡稔真(よしおか・としまさ)
1970年6月15日生まれ、43歳、北九州市出身、豊国学園高校卒業、日本競輪学校65期生。デビュー2年目の92年、日本選手権でG1初制覇。当時のG1最年少優勝記録を打ち立てた。美しいフォームとダイナミックな競走スタイルは、カーレースの最高峰になぞらえて「F1」の異名を取った。2006年末のグランプリを最後に引退。通算優勝106回(うちG2以上16回)。生涯獲得賞金は歴代4位の16億8866万円。現在、北九州市のスポーツ大使を務める。

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