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【連載】清峰 初V 支えた人たち<下>ミットを割いた剛球 丸田俊之さん

■野球用品店店長 丸田俊之さん(27)

「今度、来たらおめでとうと言いたい」と清峰ナインの来店を待つ丸田俊之店長 《甲子園球場のスタンドは「タケル、タケル」の大合唱だった。1点も与えず決勝のマウンドに立ち続けた今村猛投手は、最後の打者を左飛に打ち取ると、駆け寄ってきたナインの真ん中で、やや遠慮気味に両手を突き上げた》

 「プロ向きですね。常に落ち着いて表情を変えず、対戦した花巻東の菊池雄星投手とは対照的でした。走者がいるときといないときの投球は明らかに違う。ピンチで燃える大物ですよ」

 《清峰ナインが通う佐世保市内の野球用品店店長の丸田俊之さんは、今村投手の底知れぬ力を早くから感じ取っていた》

 「昨年夏、川本真也捕手のミットの補修をしたとき驚きました。球を受ける部分の牛革が横に五センチほど割けていたんです。摩擦で擦り切れたんでしょう。網の部分のひも革が切れることは良くありますが、手入れの行き届いたミットの受球面が割けることはそうそうありません。今村君が投げる球の回転数のすごさを物語っています。だから打者の手元で球が伸びるのでしょう」

 《今村投手は5試合で計44回を投げて1失点3完封。奪三振数は11年前に優勝した松坂大輔投手=米大リーグ・レッドソックス=を4個上回る47個だった。圧巻は得点圏内に走者を背負った場面での奪三振15個。全奪三振の3割を占めた》

 「決勝で試合の流れが何度も相手に傾きかけたのに耐え続けた、あの自信に満ちた投球には脱帽です」

 《強豪波佐見の投手だった丸田さんは、3年の春にけがをして、最後の夏の県大会は遊撃手として準決勝まで進んだ。卒業後は三菱重工神戸硬式野球部でプレー、昨年帰郷した。自身の野球歴を話したことはないが、多感な時期の高校球児の気持ちや好みが分かる丸田さんの店には多くの清峰ナインが訪れる。甲子園出発の2、3日前にもレギュラー5人が来店。「頑張ってこいね」と声をかけた》

 「最近の高校球児はおしゃれですよ。ユニホームの着こなしにも清峰の強さを感じます。みんな小さめのズボンを選んでいるのか、下半身が鍛えられたのか、太ももの部分がピチッと張った感じがいいですね。特に今村君の襟元がおしゃれ。紺色のアンダーシャツはタートルネックを折らずに首もとをルーズに決めていたでしょ。野球少年たちの間ではやるかもしれません。ストッキングを見せるイチロー選手のように、今後も活躍して今村スタイルを確立してほしいですね」
 (佐世保支局・上野洋光、川口安子が担当しました)

【写真】「今度、来たらおめでとうと言いたい」と清峰ナインの来店を待つ丸田俊之店長

=2009/04/09付 西日本新聞朝刊=


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